ブック 2017.11月号

幸せとは、居場所を見つけること 『だから、居場所が欲しかったーバンコク、コールセンターで働く日本人』

Yindeed Co., Ltd.
Founder & Managing Director 明石直哉

千葉県出身。
2011年4月にバンコクに移住。編集プロダクションに3年半勤務した後、2015年に起業。タイ在住日本人向けのWEBメディア「Yindeed Magazine」の運営およびマーケティング事業を展開。

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Yindeed Co., Ltd.
Sutthisan Winitchai Rd.,Huai Khwang, Huai Khwang, Bangkok 10310
http://yindeed.asia/

『だから、居場所が欲しかったーバンコク、コールセンターで働く日本人』 水谷竹秀著 集英社B611

『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」』(2011年、集英社)で第9回開高健ノンフィクション賞を受賞したノンフィクションライター、水谷竹秀氏の最新作。バンコクのコールセンターで働く、元非正規労働者、元風俗嬢、夜逃げしてきた家族、男娼の子供を生んだシングルマザーなどを取り上げた作品だ。

明石社長は日本で働いていた2010年当時、アジアの求人情報に特化した転職サイトの運営会社社長から、日本の地方都市で働くよりもアジアで現地採用として働くほうが多くの収入が得られる事実を知って衝撃を受けたと話す。日本は失われた20年を経て、20代の45%が非正規雇用という状況に陥っていた。

「コールセンターは性別・年齢・語学力不問で職に就けてビジネスビザも発給されます。約3万バーツ(約10万円)という月給は物価の安いバンコクなら、日本で非正規労働者として困窮生活を送るよりも、経済的にも精神的にも満たされる可能性が高いという時代なのです。著者も僕も本書に登場する30代後半~40代とは同世代で、他人事には思えませんでした。印象的だったのは、“日本に居場所はなかったかもしれないが、なければないで海外という選択肢がある。他人からは『ただ単に逃げただけじゃないの?』と言われようが、重要なのは本人が生きていることを実感できるかどうかだ。幸せか否かは第三者が決めることではない”という一文です。日本社会が抱える問題と、幸せとは何かについて考えさせられます」。


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