特集 2018.02月号

タイ投資奨励制度 最新版BOI

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タイ投資委員会(BOI)は、国の産業に高度な付加価値をもたらす事業に対し投資奨励制度を設けることで、進出企業に厚い恩典を付与している。この奨励制度や恩典内容は、国の成長度合いによって都度更新される。
BOI投資奨励策の骨子を把握し、2017年1月から今年1月までの更新・追加情報をまとめる。

BOI投資奨励制度の概要

BOI、東部経済回廊、メリットベース恩典etc……。よく聞くフレーズだが、それぞれの相関関係を把握しているだろうか。まずはタイにおける投資奨励策を一覧にした。これらを統括しているのがタイ投資委員会(THAILAND BOARD OF INVESTMENT:BOI)だ。タイ首相府直轄の組織で、タイへの投資促進目的に1977年に設置された。BOIは時代に応じて様々な恩典を用意してきたが、近年は「中所得国の罠」の克服および持続的成長の実現を図るための恩典を重要視している。下の図表は現在取得できる恩典を網羅した。

① 拡充・8類を追加
業種に基づく恩典

BOIの基本恩典は「投資奨励法」に沿った7ヵ年戦略(2015年~2021年)対象産業への投資奨励である。主なものとして、8年以下の法人所得税の免除(場合によっては、その後5年間の半減)や機械・原材料および研究開発(R&D)に使用する物に対する関税の免除、土地所有権、外国人熟練者の導入のためのビザ・ワークパーミットの優遇などがある。

業種別恩典は、今まで7つの業種に分類されていたが、2017年3月に8類「科学技術と技術革新(バイオ、ナノ、アドバンスド・マテリアル、デジタル)」が追加された。8類の条件は、

1、BOIが指定したターゲット産業の製造工程またはターゲット産業へのサービス提供における技術開発工程があること。

2、BOIが承認した教育機関または研究機関に技術移転をすること。

主な恩典は、

1、法人所得税を3〜8年間免除。

2、BOIによって奨励された科学技術パーク内のプロジェクトまたはBOIが承認したプロジェクトは、法人所得税免除期間終了後の5年間、法人所得税をさらに50%削減。

また、8類の事業では法人所得税はメリットベースでの恩典を追加すると、業種に基づく恩典の法人所得税10年間免除とプラスして最長で13年間の免除を受けることも可能だ。

BOI取得を検討する場合、当該事業を分類にあてはめ、かつ条件を満たせばA1〜B2までにランク分けされた恩典を受けることができる。

グループAは、法人所得税免税が含まれるA1~A4の4グループ。A1は、投資金額に関わらず(上限なし)8年間法人所得税が免除される。

A2~A4は、土地と運転資金を除いて、投資した金額が上限となる。
例えば、土地と運転資金を除いて100憶バーツを投資しA4の事業を行ったとする。
1年目
200憶バーツの儲けがあったとすると、本来であれば法人所得税率が20%なので、40憶バーツを納めなければならない。しかし、Aグループの恩典により、法人所得税は免除される。次年度には投資金額100憶バーツから40憶バーツが引かれ、残り60憶バーツの免税の権利が引き継がれる。
2年目
250憶バーツ儲かったとする。本来、納めなければならない法人所得税は税率が20%なので50憶バーツである。しかし、前年度から引き継いだ60憶バーツの免税の権利があるので、法人税は免除される。残りの10億バーツの免税の権利が翌年度に引き継がれる。
3年目
300憶バーツ儲かったとする。本来、納めなければならない法人所得税は60億バーツである。しかし、法人税免税の権利が10億バーツ残っているので、この年は50億バーツを納税することになる。
A1には上限がないが、それ以外はこのような上限がある。グループBは、特定事業のみ法人税免税を受けられるが、基本的には法人税免税は無い。

②New
特定産業競争力強化法の施行

2017年2月13日に施行された新しい法律「特定産業競争力強化法」とは、競争力強化のための措置だ。例えば、タイにない高度研究開発、イノベーションの促進、高度技術を導入するような事業、専門人材の育成に貢献する事業など、国家アジェンダに応える産業が対象となっている。新技術への投資や影響力の高い投資と政府が認めた場合、最長15年間の法人税免除と、100憶バーツの基金から補助金を得られる。
同法律が施行されて約1年が経過するが、申請状況や取得の有無など詳細は聞こえてこない……。

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