中野陽介コラム

知ってる?アートの楽しさ!作品の中に隠れたメッセージ Vol.8 『舞祭』

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Vol.8 『舞祭』

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なぜ僕たちは「舞う」ことをやめないのだろう? 狩りに成功した時、魔除けの儀式の時、豊作を願う時など、古代から色々な場面で、ことある毎に僕たちは舞ってきた。 現代でもディスコやコンサートに出向いたり、カラオケで熱唱したりと、舞うことをやめられない。
「狂いたいから」ではないだろうか。己の中に秘めた矛盾に満ちたカオス。同じ大地の上で共同生活をする者同士、それをそのまま表現してしまっては、秩序と平穏を保てないので、御法度である。全てが合理化した現代社会の中に於いても、狂うなんてことはまさに狂気の沙汰だ(己のカオスを無視し、システム化された現代社会に順応し狂っていないかのように振る舞うことこそ、僕には狂っている様に見えるが)。
そんな現実をすっ飛ばして、魂の奥底でマグマのように蠢いているカオスを発散させなくては、精神のバランスが崩れてしまう。そこで、発散させる表現方法と表現場所が問題になってくる。 音楽と共に「舞うこと」は、楽しく狂える方法で、音楽があるところが狂える場所になるので、僕たちにとって都合が良いからやめられないのではないかと僕は思う。
日本社会で忙しく戦っている友人たちこそ、「舞う」ことが必要だと思い、先月東京でゲスト40人、3時間限定の「舞祭」を開催した。
最後には、みんな笑顔で手を繋ぎ、ひとつの輪になって舞えたことは最高の喜びだった。その会場に飾るべく描いた絵が今回の絵だ。色とりどりのたくさんのイノチが、「舞」に導かれ、集まり、踊りだし、祭が始まる様を表現している。
身体中の細胞を震え上がらせ、生きている手応えを感じさせ、イノチを楽しく喜ばせてくれる、古えより僕たちの中に脈々と受け継がれている「舞」のリズム。
あなたはどこでどんな風に舞うのだろう。

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中野陽介
1987年福岡県生まれ。ロサンゼルス・シティ・カレッジ卒業。
ロサンゼルスで演劇と芸術を専攻、数々の映画製作と芸術活動に参加後、活動場所をバンコクに移動。
タイ上場企業に勤務しながら、バンコクで芸術家活動を継続。
2013年9月に「芸術研究所」を設立、バンコク初の「芸術討論会」を開催。
2014年、バンコクの街中で日本人初のアートデモを実施。2015年10月、個展「ART IS LOVE」を開催。
同年、岡本太郎財団主催「太陽の塔に対峙せよ!」アイディアコンペでは、応募総数150作品の中から、優れた28作品の1つに選出される。絵画、彫刻、アートデモ、書道、ブログなど、幅広い分野で芸術の素晴らしさを表現し、今後予定している数々のイベントに備えて活動中。
http://yosukenakano.com
http://art-geijutsu.com

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