ビジネス・経済 2017.07月号

タイでもガリガリ君を現場から、現地ブランド浸透目指す

ASEAN地域で活躍する日系企業を紹介
ASEAN×BUSINESS×PERSON
赤城乳業株式会社/AKAGI ICE ASIA PACIFIC CO., LTD.


井上 創太 いのうえ そうた

日本国内での販売個数は年間4億本以上、業界トップを誇る、いわば国民的アイスキャンデーの「ガリガリ君」。その製造販売を行う赤城乳業は2016年、初となる海外子会社AKAGI ICE ASIA PACIFIC CO., LTD.(以下、AIAP)をタイに設立。同年3月には約2年間のテスト販売を経て、タイにおけるガリガリ君の本格販売を開始した。

赤城乳業の社長であり、AIAPの会長を兼任する井上創太氏は、「ガリガリ君は台湾へも輸出していますが、距離的に近いこともあり日本からの輸出で賄えています。海外に子会社を展開するなら、現地で生産したかった」と明かす。初の海外子会社設立の地としてタイを選んだ決め手は、二つあったという。
「アイスキャンデーを売る環境として必要な道路など、物流のインフラ面が整備されていたこと。そして、スーパーマーケットやコンビニエンスストアといった、モダントレードが発達していたことです」。

タイには日本のような仲卸が少なく、メーカーは小売業者に直接納品する。そのため、消費者が多く利用するコンビニエンスストアなどの小売業者に納品できるかどうかが鍵になる一方で、その小売チェーンが拡大すれば、メーカーも流通を拡大することができる。

物流と販売のインフラが要に


定番のソーダ味と、5月に新発売となったグレープ味とストロベリー味

この6月からは、現地生産商品の流通もスタートしたばかりだ。AIAPでは既存のソーダ味に加え、6月より新しいフレーバーとしてグレープ味とストロベリー味を投入、現在は5フレーバーが流通している。

「最初はパイナップルなど、現地で馴染みのあるフレーバーを検討していましたが、テスト販売を通じて日本らしい、タイでは希少価値のあるフルーツが受け入れられると分かりました。1本19バーツという現地価格に合わせ、原材料は現地で調達していて、順次新商品も投入していく予定です」。

タイの生産工場でハラル認証を取得したことを生かし、2020年に控える東京オリンピック開催に合わせ、ハラル対応商品の日本輸出も検討しているという。現地での認知度を上げるため、積極的に行っているのはサンプリング活動だ。


6月にサイアムスクエアで行ったサンプリングイベントでは、2日間で2万8,000本を配布した

「実際に食べて、知って、感じてもらうことがPRにつながるとの考えから、定期的にイベント会場や若者が集まるバンコクのショッピングモールで、ガリガリ君の配布を行っています。すると、多くの方がSNSに写真をアップしてくださる。タイでもガリガリ君を浸透させ、ブランドの確立を目指します」。
まずはタイでの販売を強固なものとし、他ASEAN諸国のほか、インドへの展開も視野に入れて、各国の物流インフラと商習慣を調査中だという。
「新興国においては独占販売の習慣が残っている場所もあり、近代的な物流や販売システムはまだ発展段階にありますが、こういったインフラは、売るモノがあって初めてでき上がっていくものだと思うんですね。その上で、 〝安心・安全な美味しい〟をお届けすることが、氷菓メーカーとしの使命だと考えています」。

赤城乳業株式会社
埼玉県深谷市上柴町東2-27-1
www.akagi.com

AKAGI ICE ASIA PACIFIC CO., LTD.
Thaniya Bldg. 407, 62 Silom Rd., Bangrak, Bangkok 10500
02−266-4074

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