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タイ初のインターネット専業証券として、市場に風穴を開ける

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SBI Thai Online Securities Co.,Ltd.

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CEO 宗 英一郎  (そう えいいちろう)

タイ初のインターネット専業証券として、市場に風穴を開ける

アジアを中心に、新興国で海外事業の拡充を進める日本のオンライン証券最大手・SBIグループ。タイでは現地大手フィナンシアサイラス証券との合弁で、2014年にSBIタイオンライン証券を設立。15年10月からはタイ初となる、インターネット専業証券会社として営業を開始している。SBIタイオンライン証券でCEOを務める宗英一郎氏は、「ASEAN諸国においては、タイ証券取引所が13年以降、取引金額でシンガポール証券取引所を抜いています。また、日本では証券取引の80%以上がオンラインで行われている一方で、タイにはオンライン専業の証券会社がなく、今後さらにタイ国民の生活水準が上がれば資産運用を目的とした個人の取引が伸び、市場の成長が見込めると予測しました」と話す。
現在タイにある36社の証券会社のうち、他社はすべて、営業担当が各顧客に付く従来型だという(16年8月時点)。人口約6800万人のこの国で、証券口座を保有しているのはわずか100万人程度、そのうち月に1回以上取引を行っているのは25〜30万人にとどまり、競争は激しい。同社では、顧客が自発的にオンライン上のプラットフォームで投資できる環境、情報などの提供に専念し、営業人員と支店を抱えないことでコストを抑え、業界屈指の低い手数料を実現している。従来の常識を覆す手数料に、現地競合他社からは反発もあったというが、宗氏は「タイにはまだないスピーディなデイトレーダー向けシステムなど、モバイルの優位性を活かした商品やサービスを構築し、ターゲットとなる30〜40代の都市部の中間所得層以上を取り込んでいくつもり」と、これからもタイの業界に風穴を開けていく勢いだ。

新興国の取引を活発に

SBIではタイに先駆け、2008年にカンボジアでプノンペン商業銀行を創業、10年にはSBIプノンペン証券(現SBIロイヤル証券)を設立している。13年、カンボジアの経済成長に着目したフィナンシアサイラス証券がSBIロイヤル証券に出資。この業務・資本提携をきっかけに、フィナンシアサイラス証券が持つタイの証券事業ノウハウと、SBIのオンライン証券事業ノウハウを融合させた、タイでの事業展開が実現した。これらの舵を取っていたのが、まさに宗氏であり、ベトナムとカンボジアにおける銀行・証券業務を経て、今年7月よりタイに着任。宗氏は06年のSBI入社以前は大手銀行で都内の融資業務を担当、韓国駐在も経験している。
「証券市場のルールは国ごとに異なり、それぞれの市場に合った戦略が必要です。株式市場を支えている欧米の外国人投資家は、タイをインドシナ地域の拠点として選ぶことが比較的多く、この国には投資家の伸びしろもあります。今後は日本をはじめ、拠点のあるカンボジアやインドネシア、ベトナム、フィリピン、スリランカといった外国株の売買もできるよう、商品やサービスを充実させ、グループとして事業を拡大していきたいと考えています」。

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SBIホールディングス株式会社
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SBI Thai Online Securities Co., Ltd.
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www.sbito.co.th

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