バンコク不動産投資

元外資系投資銀行アセットマネジャーが分析する! バンコク不動産投資最新動向

fujisawa

第1回将来のヴィンテージ・コンドミニアムを買え!

マンションは古くなると価値が下がるのは当たり前、と日本で言われ始めたのは、1990年代に不動産バブルが崩壊してからだ。しかし、そんな中でも市場の常識と逆行しているマンションがある。
古くなっても価値が落ちない、それどころかむしろ値上がりしていたりする。多くの人が憧れ、そこに住むこと自体にステータスがある。日本ではそんなマンションは“ヴィンテージマンション”と呼ばれ、主に次の条件を満たすマンションのことだ。

1. 普通のマンションにはない、そのマンションだけが持つ特別な魅力がある

2. ベストロケーション

3. デザインが優れていてクオリティも高い

4. 修繕が計画的に行われていて、メンテナンスや管理の 状態がよい

5. 大体築15年以上

例えば、築30年以上経つ東京の広尾ガーデンヒルズは、当初から憧れの高級マンションとしてのステータスがあり、その無形の価値が今になっても色褪せていないから高い価格で取引されているわけだ。他の4つの条件を満たすマンションならいくらでもあるが、「そのマンションだけが持つ特別な魅力」があるからこそヴィンテージなのである。

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バンコクの住宅評論家達がコメントするオンライン住宅評価サイト「Think of Living」が選ぶアルティメート・コンドミニアム(最高峰のコンドミニアム)を3つ挙げてみた。バンコクでは、 こういうコンドミニアムが将来ヴィンテージになるはずだ。
彼らもこのセグメントの選択基準でこう書いている。「最高峰のコンドミニアムに選ばれるためには、価格やロケーション、スペックが最高であるのは当然だが、それ以外に何か特別な魅力(彼らは“フィーリング”と表現している)を持っている物件しか選ばれない」。
タイの場合、築年数から言えば、97年の俗に言うトムヤムクン危機(アジア通貨危機)以前の第1次ブームに建てられたコンドミニアムがヴィンテージの対象になるが、コンドミニアム揺籃期に建設されたことから、施工が良くない、間取りが使いにくいといったマイナスがある。また、BTS開通前に建てられたため、今となってはロケーションが不便など、ヴィンテージの5つの条件全てを満たせるプロジェクトはあまりない。
東京のヴィンテージマンションが20年以上の時を経ても最高峰でいられる理由の一つは、そのロケーションの優位性だ。東京都心部ではJRや地下鉄主要路線がマンション建設当時から既に網羅されていたため、年数が経ってもその優位性は色褪せていない。
一方でバンコクの場合、BTSが開通したのが99年12月。従って、大体2003年以降に竣工した第2次ブームのプロジェクトこそが、そのロケーションの優位性を将来も維持できることになる。
不動産仲介大手のCBREもこう言っている。「バンコクのCBD(Central Business District、中心ビジネス街)は最初ヤワラートにあったが、その後、スリウォンエリアに移り、さらに今はシーロムやスクムビットに移動した。しかし、もう動かない。なぜなら、今のシーロムやアソークにはBTSやMRTが走り、これらマストランジット・システムがくさびの役割を果たすからだ」。

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藤澤 慎二
前職はドイツ銀行の国際不動産投資ファンド、RREEFのシニア・アセットマネジャーで米国公認会計士。現在はバンコクに在住し、自身のブログ「バンコクコンドミニアム物語」(http://condostory.blog.jp)で、バンコクの不動産マーケット情報を発信している。

連絡先:087-481-9709
bkk.condostory@gmail.com

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