Book Review 社長が紹介する、一冊　GMO CLOUD (Thailand) Co., Ltd. 田中康明氏

百田 尚樹著　講談社文庫 397B

日本人としてのルーツが教えてくれた“生きる”ということ

特攻隊として死んだ祖父の生涯を調べる主人公を描いた、百田尚樹氏の作家デビュー作。元同僚たちから語られるエピソードをもとに紐解かれていく、天才パイロットながら「臆病者」と言われた祖父の謎と、当時の日本の惨状。戦争を知る世代がいなくなっていく今、日本のために死んでいった先人達から“生きる”ことを考えさせられる作品だ。
本書を紹介くださったGMO CLOUDタイランドの田中社長は、昨年タイで同社を設立。進出企業８月には自社オフィス兼レンタルオフィスをアソークに開設し、ITインフラやセキュリティサービスを通じ進出企業をサポートしている。「バンコクへ発つ前の空港の書店で偶然手に取り、読み始めました。主人公は祖父がどのような経緯で特攻隊として死んでいったのかを知るにつれ、自身のルーツを知り、生きる目的を得ていきます。戦時中、現代の日本では想像できないような残酷な状況下、同世代の日本人がどのような人生を生きたのか。そして命を落としていった先人達があって、今の自分たちがいるのだと知ることは、日本人としてのアイデンティティを感じるきっかけになりました。生きたくても、生きられなかった人たちがいたことを、私たちは知っておかなければなりません。海外でビジネスを起こし成功させることは、戦争とは意味合いこそ異なるものの、一種の戦いです。生き方を考えさせられる、また、奮起させられる一冊です」。