現地からレポート!CLMV最新トピック

【第8回】ラオス、カンボジア編

タイの周辺、メコン4ヵ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)現地で流行しているモノやコト、最近増えている、または注目の投資業種や案件、新制度の決定や施行とその実情などの政治経済トピックを、現地在住の専門家よりお届けする新コラムがスタート。
第8回はラオスとカンボジアからのレポートです。

昨年末からラオスの新聞紙面を賑わせている話題。それは、「政府高官は職務のために提供された高級車を返納して低価格車に乗り変えよ」という首相令(政府高官のための車輌提供と管理に関する首相令(2017年1月5日改定))に関するものです。
トンルン・シースリット現首相は昨年4月の就任以来、大胆な政治・経済改革を推し進めています。同首相令も、「2017年政治経済開発計画戦略と予算」に基づき、国家主席や首相がまず手本となって所有する高級車を返納することを前提として16年ぶりに改定されました。

そもそも、2020年までに最貧国からの脱却を目指す国の高官が、ベンツやBMWなどの高級車を、国の管理下で私有車同然に所有している状況は、本当に援助を必要とする国の姿とはいえません。しかも、国家予算は常に赤字。維持費のかさむ高級車に予算を費やす余裕はないはずです。
何はともあれ、個人的には社会のさまざまなひずみにメスを入れるリーダーの動向に注目するとともに、“等身大”のラオスを取り戻してほしいと願うばかりです。


JBL Mekong (Lao) Sole Co., Ltd.
内野里美
1979年生まれ、東京外国語大学ラオス語学科卒業。2005年よりラオスにて日本のNGO、日本大使館勤務を経て2016年3月よりJBLメコンラオス事務所に常駐、現在に至る。
info@jblmekong.com
www.jblmekong.com

 

2016年10月、カンボジア王国首都のプノンペンにて「サンライズジャパンホスピタル(Sunrise Japan Hospital Phnom Penh)」がオープンしました。サンライズジャパンホスピタルは日系資本100%(日揮株式会社/株式会社産業革新機構/株式会社 Kitahara Medical Strategies Interna- tional)のカンボジア現地法人が運営する民間病院です。
カンボジアには内戦の影響が強く残っていて、医療環境の整備が遅れているため、年間20万人以上の人々が周辺諸国へ医療渡航しています。サンライズジャパンホスピタルは、日本水準の高品質な医療の提供と、医療者育成など医療インフラの発展への貢献を目指して設立されました。

総合内科・一般外科に加えて、救命救急や脳神経外科などの専門科を有し、日本人専門医も常駐しています。日本人スタッフ20名強に加えて、日本で研修を受けたカンボジア人ら80名が治療や病院運営を担います。
カンボジアでは日本の医師免許を取得していれば日本人医師も診療行為を行うことができますし、外国資本による病院経営も可能です。これからも外国資本による医療進出は続き、カンボジアに住む人々がより安心して生活できる状況になっていくでしょう。


MEDiL Co., Ltd.
President 佐藤 創
1987年生まれ、一橋大学経済学部卒業。親族の病気をきっかけに医療分野に機会を見出し、大学在学中に医療・介護分野で起業。卒業後にカンボジアに進出し、現地医療機関・医療関連企業の経営支援や自社でのクリニック経営などを行う。サンライズジャパンホスピタルではF/S調査実施や、カンボジア人スタッフ全職員の採用などを行った。
sato@medil.asia
http://medil.asia/jp

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