ビジネス・経済 2018.01月号

GDMが解説する<業界動向> -不動産セクター編ー

タイの経済を読み解くにあたり、まずはSET(Stock Exchange of Thailand)に上場している企業の売上規模を把握する。
第1回は、不動産セクターのメインプレーヤーをご紹介。

タイの近年の経済状況

海外投資を背景に成長してきたタイですが、ここ数年間に目を向けると大洪水や政治的内部対立、軍事クーデターなどの影響もあり経済の成長力は鈍化傾向にありました。しかし、タイ政府が昨年末に実施した所得控除策や農業生産高の改善等による所得増加は経済にプラス要因として働き、2016年の実質GDP成長率は+3.2%と直近の数年間では最高の伸び率となりました。

2017年については、けん引役不在ということもあり成長は加速しませんが、国家経済社会開発委員会(NESDB)による発表でもある通りタイ経済成長率の見通しは+3.0%~4.0%になると見られ、この傾向は今後も続くと予想されます。

今回取り上げる不動産業界については、過去20年の平均成長率が7.4%と高い成長率となっており、GDPの約6~7%を占めています。

不動産業界動向

建設資材の分野においては、セメントや石油化学を主要ビジネスとする王室系のコングロマリットとして有名なサイアムセメントが圧倒的なマーケットシェアを占めています。直近3年間を比較したときにサイアムセメントの売上は降下していますが、利益ベースでは最高値となっており、目標として掲げているセメント部門での高付加価値商品の割合増加の効果の表れと言えるでしょう。

タイでは現在複数の鉄道建設のプロジェクト等が進んでおり、今後もセメント含め建設資材の需要は高まると思われます。一方で建設資材は、世界的価格競争に巻き込まれることもあるため、高付加価値商品の割合増加は重要なファクターになってくるでしょう。

不動産開発の分野においては、大型開発のプロジェクトが複数進んでおり全体的に増収増益傾向にあります。2017年においても国王直下の王室財産管理局が保有地を商業利用するために開放し、バンコク中心部の一等地でオフィスや住居、ホテルなどを組み合わせた大型再開発プロジェクトが相次ぎ始動しています。

タイにおいては、インフラ設備への投資がまだまだ必要であり、タイ国政府もタイランド4.0や東部経済回廊(EEC)の投資優遇政策等の政策を進め、産業の高度化、さらなる外国資本の獲得を進めていることから今後も不動産セクターはそれぞれの分野で全体的に成長傾向が続いていくことが予想されます。

一方で、建設資材の価格競争や人件費の高騰などでタイ市場未上場の海外企業との競争など、将来的に大手企業であっても厳しいビジネス環境になることも考えられます。
今回は、SETの上場会社のみにフォーカスしましたが、インフラ設備への投資、発展が他の産業の経済的な発展にも大きく関係することから、不動産セクターの成長動向はタイ国経済全体の成長動向に大きく影響すると言えるため、今後も不動産業界の動向を定期的にウォッチする必要があるでしょう。

建設資材

不動産開発

※ランキングは、SETに上場している企業のセクター別売上額を基準にしています。
※本資料は情報提供を唯一の目的としており、予測・分析の妥当性などは独自でご判断ください。

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