ビジネス・経済 2017.11月号

グローバル経営適地生産適地販売ーノリタケカンパニーリミテッドースリランカで洋食器生産

全タイプ、地別仕様で供給/月60万個、アジア市場深掘り

稼働45周年を迎えたノリタケカンパニーリミテドのスリランカ工場は、月産60万個とグループで生産する洋食器の9割を担う。白磁、ボーンチャイナ、日常用途で軽量・高強度の「新白磁」、軟釉磁器と同社の全タイプを仕向け地別の仕様で世界に供給する。従来の日米欧に加え、近年はアジアでの売り上げが伸長。インドや中近東などの深掘りも始めている。


ノリタケカンパニーリミテドのスリランカの首都コロンボの直営店

「国民(の大半)は仏教徒。しかも手先が器用で勤勉だ」と加藤幸三取締役専務執行役員はスリランカ工場の利点を説く。工場は首都コロンボから車で4時間、西海岸中部のマータレ市にある。周囲に大工場は少ない。成長過程の同国でも人材確保はしやすい。
スリランカ生産子会社はノリタケ・ランカポーセレン。工場は1972年に欧米への輸出拠点として稼働した。2000年以降は日本国内向けの生産も段階的に移管。現在は唐津工場(佐賀県唐津市)で生産する一部の高級品を除き、スリランカが世界的な洋食器ブランド「ノリタケ」の主力工場となっている。

老朽化した工場棟は14年から段階的に改修を進め、17年中に完了する予定。品質と生産性の向上には、長年の日本からの指導に加え、15年から1,200人の現地従業員が自らの手でトヨタ生産方式による改善活動に取り組んでいる。

同社の17年3月期の食器事業の売り上げは92億円。大半がアジア向けの「欧州・アジア」は24億円で、過去5年間に26%増えた。09年の内戦終結後にはスリランカへの海外旅行者が増え、ノリタケの洋食器を買い求める旅行者も急増している。「特に中国やインドからの旅行者に人気」(加藤専務)という。

現地の販売代理店であるノリタケ専売店3店舗に加え、14年にはコロンボ近郊に直営店もオープンした。3階建てで延べ床面積は760平方メートル。ショールームを備え、年商3億円を誇る。中心の価格帯は紅茶茶わん・皿1脚で2,000~3,000円。「広告宣伝に加え、クチコミでも人気が広まっている」と加藤専務は自信を見せる。

今後は周辺国への販売促進活動も強化する方針だ。16年からスリランカ工場に日本人営業担当者1人が常駐。特にインドと中近東の市場の掘り起こしを始めている。
インド向けでは、インド人デザイナーのアイデアを商品化したディナーセットを10月末にも発売予定。食器の形状や大きさをインド料理に合わせて企画。インド人の好むデザインにし、中流家庭の普段使いの食器として売り込む戦略だ。インドの食器小売り大手2社と新たに販売代理店契約も締結した。

さらに、ドバイの駐在員事務所を閉鎖したことがある中近東でも、改めて市場の情報を収集しながら捲土重来(けんどちょうらい)を期す。東南アジアではベトナム、タイ、シンガポールなどの市場も深掘りする考えだ。

※記事提供・日刊工業新聞(村国哲也 2017/10/11)

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