ビジネス・経済 2018.01月号

第21回 2018年、プレビルド投げ売りの買い場が来る?

第21回 2018年、プレビルド投げ売りの買い場が来る?

CBD(ビジネス中心街)のラグジュアリーコンドミニアム

筆者はこれまで、CBDであるアソーク・モントリー通りに竣工したアシュトン・アソークを投資物件として勧めてきた(詳細は本誌昨年10月号のコラム)。この通りで近年売り出されたコンドミニアムはハイスペックでデザインも優れた注目プロジェクトが多い。例えば、シンハーの2つのエッセ、レイモンランドのロフト、クオリティハウスのQハウス・アソーク、どれも各デベロッパーが注力した大型プロジェクトだ。そして、周辺のソイ19と23に目を向けると、サンシリのエッジ、メイジャーのミュニック、ノーブルのBE19やリコールとここにも興味深いプロジェクトがある。

しかし、“不動産は最後はロケーションがものを言う”、という定石に従うと、筆者の結論はアシュトンに帰結した。それもあって、セミナーやコンサルティングの中で予算に余裕のある人には同物件のリセール買いを勧めてきたのだが、その結果、これまで5人の投資家が購入してくれた。その内、3人は2ベッドルーム、2人は1ベッドルームの投げ売りを底値で買った。総額で2億円を軽く超えるが、この投資家たちが損をすることはまずないだろうと筆者は確信している。

さらに、もう2人のクライアントからも依頼を受けて、現在売主と直接交渉を続けているものの、どうやら竣工直前の値下げラッシュも収束しつつあり、筆者がクライテリアとする30万バーツ/㎡以下での高層階2ベッドルーム購入は困難な状況だ。

2018年の市場予測

さて、新年を迎えたところで、今年はどんな年になるのか。筆者はここ数年のデベロッパーの都心部へのシフトでやや過剰感の出てきたラグジュアリーコンド市場は勢いを弱めると思っている。そこにクーデター以降大量に供給された高級プロジェクトが竣工を迎えようとしているわけだから、だぶつき感はさらに大きくなる。実際、今よりかなり地価が安かった2、3年前に売り出された人気プロジェクトが竣工しつつあるが、ゲンガムライ(竣工引き渡し前の転売)に失敗した連中の投げ売りが続いた。その典型例が、先のアシュトンやスクムビット24のパーク24だ。

また、以前から筆者はできるだけ広い1ベッドルーム、できれば2ベッドルームに投資するようにアドバイスしてきたが、今回の損切りや投売りの実態を見ればその理由が分かる。例えばアシュトンの高層階2ベッドルームはプリセールから2割前後値上がりしたが、1ベッドルームは昨年末であれば高層階でもほとんどプリセール価格の投げ売りを拾えた。これはパーク24についても同様だ。しかし、こういう時こそ、35㎡以上ある投げ売り物件は買いのチャンスなのである。

以前、筆者は外資系投資銀行の不動産オポチュニスティックファンドのアセットマネジャーであった。日本ではむしろ“ハゲタカファンド”としてよく知られている。NPL(不良債権)が山積みとなり、日本経済が失速しかけた頃、せっせとそれを格安で買い取り、債権回収して大儲けしたのがハゲタカファンドである。そういう経験からか、最近のラグジュアリーコンド市場を見ていると、絶好の買い場がやってきつつあるような気がするのだが…。


藤澤 慎二
前職はドイツ銀行の国際不動産投資ファンド、RREEFのシニア・アセットマネジャーで米国公認会計士。現在はバンコクに在住し、自身のブログ「バンコクコンドミニアム物語」(http://condostory.blog.jp)で、バンコクの不動産マーケット情報を発信している。

連絡先:087-481-9709
bkk.condostory@gmail.com

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