ビジネス・経済 2018.03月号

第23回 BTSスカイトレインで最も地価が上昇した駅

第23回 BTSスカイトレインで最も地価が上昇した駅

これは、不動産鑑定調査のAREAがBTS沿線の駅ごとの地価推移について、過去7年間にわたって行ってきた調査結果を比較検討したものだが、この表を分析すると、日本人投資家が投資すべき駅がおのずと見えてくる。

彼らの説明によると、オンヌット駅は昨年度の地価上昇率が11.1%と最も高く、しかも2010年以降7年間の平均地価上昇率も年率8.3%と、数あるBTS沿線の駅で地価上昇がトップとなった。その理由は、オンヌット駅周辺は多くのソイが集まる交通上の重要なアクセスポイントである上に、過去にコンドミニアムの大量供給もあったので、都心部に近く通勤も容易な職住接近を望む住宅購入希望者の間で、今も人気が衰えていないからということである。

また、CBDのラーチャダムリ駅は、2010年の100万バーツ/ワーから17年には160万バーツ/ワーに上昇した。昨年度は8.8%の上昇であったものの、7年間の平均では年率6.9%である。一方、トンロー駅は昨年度上昇率は7.7%であったが、7年間の平均では9.3%と非常に高いことから、中長期の投資としてみた場合、トンローの方が投資妙味があったということになる。

ところで、オンヌットは駅前のセンチュリー・シネマプラザもオープンし、テナントとして大戸屋やリンガーハット、日本の居酒屋など、これまでオンヌットにはほとんどなかった日本食レストランも多数入店した。日系の賃貸仲介会社と話していても、これで今後は単身赴任や夫婦2人の日本人駐在員が移り住んでくるだろうとのことで、そうなれば、駅周辺のコンドミニアムは日本人に貸したい投資家の間でさらに人気が出るはずだ。

また、プラカノンでも店舗だけでなくコーワーキングスペースを設けたサマーヒルが竣工すれば、生活も便利になるしデジタルノマドも住むようになるので、ポテンシャリティは高い。さらに、オンヌットやプラカノンといったミッドタウンフリンジは、現在はタイ人アッパーミドルクラスが主な購入層であるものの、今後価格が上昇するにつれてタイ人富裕層や外国人もマーケットプレイヤーとして参入してくるので、将来的にも潜在的投資家の層が厚いという点が魅力だ。

いずれにせよ、セントラルルンピニーのラーチャダムリーとスクムビットのトンローというそれぞれの高級住宅地を代表するような駅は、既に用地不足が深刻になっているし、これからもトップクラスの地価を維持していくタムレ・トーング(超一等地)であることは間違いない。従って、利回りよりも将来のキャピタルゲイン狙いでバンコクの一等地に投資したいのであれば、こういうところが狙い目である。ただし、希少価値のある物件に投資すべきなので、少なくとも5,000万円程度の予算は必要だ。

一方、予算的に2,000万円前後の一般的な投資家の場合、今後供給過剰やそれに伴う空室リスクはあるものの、利回りも5%は見込めるし、キャピタルゲインも期待できるので、プラカノンやオンヌットといったタムレ・サカヤパープ(将来性のあるロケーション)がお勧めだ。

ちなみに、今年も増加が見込まれる外国人投資家の予算のボリュームゾーンが400万から800万バーツ(1,400万から2,800万円)であり、ここに実際の取引の9割が集中しているという調査結果も出ている。

従って、将来の「出口」を考慮してできるだけ流動性のある価格帯の物件を購入するべきであるし、筆者自身もこれまで5物件に投資してきたが、できるだけこの価格帯で分散投資するようにしている。


藤澤 慎二
前職はドイツ銀行の国際不動産投資ファンド、RREEFのシニア・アセットマネジャーで米国公認会計士。現在はバンコクに在住し、自身のブログ「バンコクコンドミニアム物語」(http://condostory.blog.jp)で、バンコクの不動産マーケット情報を発信している。

連絡先:087-481-9709
bkk.condostory@gmail.com

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