ビジネス・経済 2018.01月号

【香港】ユニーも撤退か=香港から姿を消す日本の百貨店・スーパー(香港支局 小川耕一)

香港進出30年を迎えたユニー・ファミリーマートホールディングスは、現地からの撤退も含めて検討を進めている。日本の百貨店やスーパーはかつて、香港の繁華街に勢ぞろいしていたが、1990年代後半から相次いで撤退、現在もとどまっているのは同社とイオンのみ。流通大手がまた姿を消す可能性が高まっている。
ユニーの高柳浩二社長はこのほど、香港のユニー3店舗について「事業性を再評価中。売却も含め、あらゆる方向性を検討している」と述べ、撤退もあり得るとの考えを明らかにした。来年6月までに結論を出すとしている。

激しい競争、家賃高騰も重荷か

ユニーは87年、日本人の多い香港島・太古城に「ユニー」の海外1号店をオープン(現在は「アピタ」に改装)。2010年には九竜地区の楽富に「ユニー」、九竜湾に「ピアゴ」を出店した。しかし、米ブルームバーグ通信は関係者の話として、ユニーは香港事業を1億米ドル(約110億円)で売却する方向で協議を進めていると伝えた。
地元紙・明報によると、15年12月~16年11月のユニーの香港事業は、売上高が前年度比4・2%増の14億5500万香港ドル(約210億円)、純利益は42・3%増の4300万ドルだった。
大手会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の香港小売業界担当の鄭煥然氏は同紙に対し、「香港のスーパー業界は競争が激しい。中国本土系、日系、香港企業を問わず、経営は困難だ」と指摘。金英証券アナリストの羅家亮氏は、ユニーの衣食住を中心とした品ぞろえは集客力に欠けると分析した上で、高額な家賃に加え、「想定したほど利益が出ず、出口戦略を模索している」ことも撤退検討の背景にあるとの見方を示した。

イオンは赤字に

日本の百貨店やスーパーは1960年の大丸を皮切りに相次いで香港に進出。香港島の繁華街・銅鑼湾(コーズウェイベイ)には大丸、そごう、松坂屋、三越、西武が、九竜地区の尖沙咀(チムサアチョイ)には伊勢丹、そごう、三越、東急が顔をそろえた。
ただ、日本のバブル崩壊や香港の家賃高騰が響き、明報の調べでは、伊勢丹が96年に撤退したのに続き、ヤオハン(97年、経営破綻)、大丸(98年)、松坂屋(98年)、東急(98年)、そごう(2001年)、三越(06年)、西友(06年)、西武(13年)と、香港から次々と姿を消した。
一方、香港上場のイオンストアーズ香港を通じて57店を展開するイオンも苦戦している。今年1~6月期の香港事業の売上高は前年同期比11・7%増の20億3700万ドルだったものの、純損益は8600万ドルの赤字を計上。小売業界全体の低迷に加え、高額な家賃も経営を圧迫したと説明した。
銅鑼湾のランドマークとなっているそごうは名前こそ昔のままだが、経営は香港企業の利福国際集団に引き継がれた。その店舗のすぐ近くを走る庶民の足のミニバスは現在でも行き先に、約20年前に閉店した「大丸」の表示を掲げる。日本の流通大手がいかに香港人に親しまれてきたかを物語っているが、現実にはその存在感は薄れる一方だ。
※この記事は時事通信社の提供によるものです。(2017年12月19日記事)

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