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疲れ、痛み、不調を新年に持ち越さない!からだメンテナンス塾2016 疾患編

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2016年は健康に過ごせましたか?ビジネスパーソンにとって、健康管理は重要なトピック。さらに元気で新年を迎えるため、タイでの生活に潜む健康の課題をチェック!

私たちがお答えします

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ブレズクリニック医療
コーディネーター 高田智子氏

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サミティヴェート病院
スクムビットの堀川真由香医師

タイ生活で気をつけるべき感染症

2016年はジカ熱感染が話題になった。タイで暮らし、働く日本人が気をつけるべき感染症とは?サミティヴェート病院の堀川真由香医師と、日本の看護師・保健師の免許を持つブレズクリニックの医療コーディネーター・高田智子氏に伺った。

ジカ熱・デング熱とは

サミティヴェート病院スクムビットの堀川医師によれば、ジカ熱はデング熱に比べて症状が軽く、発熱や関節痛などがある程度だという。感染してから3~12日で発症するため、人によっては感染に気づかないうちに治っている可能性も。
しかし、WHO(世界保健機関)では小頭症(極端に小さな頭で赤ちゃんが生まれる、または出生後に頭の成長が止まり、てんかんや脳性まひ、視覚障害などを起こす可能性がある)の原因として、妊婦のジカ熱感染が関係していると結論づけており、妊婦の感染には注意が必要だ。

デング熱も感染から発症までの期間は4~10日だが、急な発熱、それも高熱が症状として現れ、人によっては筋肉や関節の痛みなどの症状も出る。
「デング熱に感染すると血小板が減少するため、消化器からの出血など症状の悪化を防ぐには1週間程度の入院が勧められます」。

ジカ熱とデング熱を防ぐ方法は、ウイルスを媒介する蚊に刺されないようにすること。どちらもネッタイシマカや、藪中などに生息するヒトスジジマカを媒介とする場合が多く、虫除けスプレーや長袖で対策するほかない。
なぜか同じ場所にいてもタイ人よりも日本人のほうが蚊に刺される確率が高いようなので、「タイ人が刺されていないから」と油断するべからず。

ワクチン接種で予防できる疾患

日本では毎年冬になると流行るインフルエンザ。タイ在住の日本人が年末年始の帰省時に感染して、日本から持ち帰ってくるケースも多いそう。インフルエンザのワクチンは接種から2~3週間で免疫が付くので、サミティヴェート病院では年末年始の帰省時期から逆算した11月頃に予防接種を行う日系企業も多いのだという。
「インフルエンザのワクチンは毎年流行に合わせたものを使用します。当院では昨年から、従来の『3価ワクチン』に代えて、WHOでも推奨している『4価ワクチン』を採用しています。これにより、より多くの種類のインフルエンザ感染が防げるようになりました。あとはやはり、手洗いとうがいをしっかり習慣化することです」。
このほか、海鮮など食事から感染してしまうA型肝炎。血液や体液を感染経路とするB型肝炎。幼少期に定期接種をしていても、成人してから10年ごとに追加接種を受ける必要のある破傷風。蚊が媒介して感染する日本脳炎。狂犬病などの予防接種が勧められる。

〝STI〟を知っていますか?

血液や体液、性的接触を感染経路とする疾患で忘れてはならないのが、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)をはじめとする性感染症。タイでは通常、ワークパーミット申請用の健康診断で梅毒のスクリーニング検査が行われるが、HIVに関しては自主的な受診が必要だ。性感染症は知らないうちに大事な人まで感染させてしまう恐れがある一方、感染に気付けば早期に対策できる。

アソークのブレズクリニックでは、3コースの性感染症(STI:Sexually Transmitted Infections)検査パッケージを提供している。980バーツのAコースでは、診察・身体測定・血中HIV抗体スクリーニング・梅毒血清反応スクリーニングの血液検査が。2980バーツのBコースでは、Aコースの内容に加えてB型肝炎ウイルススクリーニング(HB s抗原・HB s抗体・HB c抗体)・C型肝炎ウイルススクリーニングの血液検査が。5980バーツのCコースでは、Bコースの内容に加えて尿検査でクラミジア トラコマチス抗体・淋病・トリコモナス・ウレアプラズマ・マイコプラズマが検査できる。
血液検査の結果は概ね翌日ラボ(検査機関)からクリニックに送られる(尿検査は約10日後)。HIV検査だけは密封のレポートを被検者本人が医師から直接受け取り開封、確認するため看護師や日本人スタッフに結果が知られることはない。

病気を知ることが第一歩

ブレズクリニックの高田氏は、「性感染症も早期の発見と治療が重要」だと話す。
「例えばC型肝炎は症状があまり出ない方も多く、気付かないうちに慢性化、肝硬変に移行したり、肝臓がんを発症することもあります。HIVはウイルスが増殖することで免疫が低下し、健康であれば感染しないような病原体に感染してしまうエイズ(後天性免疫不全症候群)を発症します。どの感染症に関しても、検査結果が陽性となった場合は適切な治療が必要です。HIVについては必ず専門医を受診のうえ確定検査を受けて、万が一、感染していた場合は治療について相談してください」。

なお、感染症にはウインドウ期と呼ばれる、検査で感染が確認できない期間がそれぞれある。例えば、HIVの場合は感染の約1ヵ月後から検査が有効となるが、結果として確実に現れるのは3ヵ月前時点までとなる。検査の流れは、まずHIVに関する説明を受けて説明内容と検査に関する同意書に署名、診察と身体検査の後、A・Bコースは採血、Cコースでは加えて採尿して終了。
検査受診から結果が出るまでの一晩、感染症に関する正しい知識を身に付けることがどれほど重要か実感できるはずだ。今すぐ受けて損はない。

ブレズのみゆきさんが紹介!タイで買えるこんな薬

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日本人と薬剤師が常駐、タイ語や英語が分からなくても、症状に合った必要な薬やヘルスケア関連商品が買えるブレズ薬局。
日本とは事情の異なるタイの薬、知っておいて損はない常備薬と人気商品を、同店のみゆきさんに教えてもらった。

解熱鎮痛剤

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Panadol 50B(8錠)
GOFEN 100B(10錠)
「Panadolの成分は、日本では主にアセトアミノフェンと呼ばれるパラセタモール。炎症を抑える効果もあるGOFENの成分はイブプロフェンで、こちらは胃への影響があるので食後すぐに服用してください」

目薬

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Hialid 0.1 200B(5ml)
Vislube 480B(0.3ml×20個)
「日本の目薬のように清涼感のあるものなどはありませんが、参天製薬のHialidはヒアルロン酸入りで目に潤いを与えてくれます。Vislubeは防腐剤の入っていない使いきりタイプです」

シミ取り

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Delanin 180B(5g)
Retin A 0.025% 120B(10g)
Retin A 0.05% 155B(10g)
「日本では処方箋薬のDelaninクリーム(ハイドロキノン)もタイでは薬局で購入できます。RetinA(トレチノイン)はニキビやシミに効果のあるビタミンA誘導体です」

飲みすぎ 二日酔い

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WAKIE 160B(10錠)
酒豪伝説 99B(1回)
「酒豪伝説は沖縄産ウコンのサプリ。WAKIEは肝臓に効く牡蠣エキス、スピルリナエキス、ローヤルゼリーなど配合で、肝臓の働きを助けてくれます」

薄毛

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Propecia 1,300B(28錠)
Firide 600B(30錠)
「Propecia(フィナステリド)は男性型脱毛症用薬(AGA治療薬)で、ジェネリック版がFiride(フィナステリド)です。服用タイプとスプレータイプの2種類で、発毛を促すミノキシジルも販売しています」

※症状によって処方薬は異なります。薬剤師にご相談のうえお求めください。

取材協力
SAMITIVEJ SUKHUMVIT HOSPITAL
133 Sukhumvit 49, Klongtan Nua, Vadhana, Bangkok 10110
020-222-334(健康診断予約:平日のみ)

BLEZ CLINIC
417 Sukhumvit Rd., Klongtan Nua, Wattana,Bangkok 10110
02-258-2628

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