【連載】LAMTIP PARTNERSの簡単!タイでの“かいけい” 

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今回のキーワード 「仮払消費税(VAT)」パーシー・スー・ヤン・カムット

今回は、日本側本社の経理の方から仮払消費税(VAT)「これって何ですか?」と聞かれる勘定科目についてのお話をします。
まず、VAT(付加価値税)に関する勘定科目は、タイ語では「 パーシー(税)・スー (購入)」、「パーシー(税)・スー(購入)・ヤン(まだ)・カムノット (規定)」。日本語に直せば「仮払VAT」「仮払VAT(未規定)」とでもいいましょうか。日本でいう「仮払消費税」という勘定科目に該当するかと思いますが、日本では区別して異なる勘定科目を用いることはありません。何故、タイはわざわざ区別するのでしょうか?それは、このコラムにも何度も記載しているタイならではの経理処理の習慣が関係しています。
タイではTAX INVOICE方式を採用していますが、その要件の一つに原紙(オリジナル)保存の義務があります。その結果、毎月のVAT申告(PP30という様式)の計算おいて、TAX INVOICEの原紙を入手して初めてVATの控除が受けられることになります。
具体的な仕訳例をあげますと、1月31日にA社からサービスフィーのINVOICEを受取。 (1万バーツ、VAT700バーツ)。2月28日にA社へ現金にて支払。同時にTAX INVOICEの原紙を入手した場合は次のような仕訳となります(下図参照)。

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2月28日の支払時点で初めてTAX INVOICEを入手したので、VATの控除が受けられることになり、勘定科目の振替が行われます(「仮払VAT(未規定)」から「仮払VAT」)。逆を言えばTAX INVOICEを入手しない限り「仮払VAT(未規定)」としてそのまま残ることになります。最終的に入手できないと判断した場合は、経費処理(損金不算入)として処理されることになります。
私の経験から言いますと、その都度にタイムリーにTAX INVOICEを入手していない場合、結果的にVAT控除を失念しているケースが多いと感じます。経理がスムーズにまわっていない場合はいつのまにか知らずに税負担が大きくなっていますので注意が必要です。
また、損金不算入として処理する場合に使用されている「 カージャイジャーイ(経費)・トン(〜しなければならない)ハーム(禁止)」という勘定科目があります。経費(税務上)にしてはいけない科目とでもいいましょうか。会計的な点から見ればそのような勘定科目があること自体不思議ですが、領収書やTAX INVOICEの不備がある場合便宜上使用されている勘定科目です。それだけ該当する処理が多いということでしょう。この科目が多い会社は経理に何かしら問題があることが多いと考えられます。

 

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文 : 岩倉弘貴
Managing Director

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