法務・会計・税務 2017.11月号

メコン地域ビジネス法務 カンボジア、ラオス、ミャンマー 三ヵ国比較 | ONE ASIA LAWYERS



カンボジア、ラオス、ミャンマーの基本法制度比較⑯「M&A比較」

ラオスにおけるM&Aのポイントと留意点

ラオスにおけるM&Aについては、株式譲渡スキームによるM&Aは、脱税等の不正リスクの問題もあり実務的に多くありませんが、最近では一部事業譲渡を組み合わせた合弁での事業進出が増加しています。

特に、ラオスでは厳しい外資規制が導入されており、現地パートナーと共同出資が求められるケースが多々あります。今まで、当該外資規制の回避策として「コンサルティング業務」を利用し、承認されたコンサルティング業務の範囲を超えてビジネスを展開している会社が多く存在していたことを受け、実務的に、コンサルティング業の認可において、その業務範囲の厳格化が進んでいます。

しかしながら状況が改善されないことから、2017年 8月28日付で商工業省より、コンサルティング会社(全分野)の会社設立申請書の受理を一時的に停止する通達が出されており、特定の業種においては、必ず現地パートナーと共同で業務を行う必要があります。

ただし、ラオスにおける合弁に際しては、パートナー候補先からデューディリジェンスに必要な書類がいつまでたっても出てこない、相手方がラオス国籍企業だと思っていたら、実はタイやオーストラリア国籍企業だったため、外資規制要件を満たさない、合弁契約の最後の最後で、合弁会社に出資する資金(現金)が足りないという困難に直面するケースもあります。

また、合弁契約の締結に際しては、相手方が弁護士を起用するケース等は非常に稀であり、国際的な英文契約書をどのように理解してもらうかに苦労することもあります。さらに、ラオス国内で契約書を締結する際、公証手続きが必須であり、公証に際してはラオス語で準備する必要があります。その他株主総会における定足要件、株主特別決議条項に株主の頭数規制があるため、要注意です。ラオスでの株式譲渡や合弁等のM&Aはまだまだ事例が蓄積しておらず、投資検討の際には、必ず現地専門家を起用することが肝要だと考えます。

 

 


One Asia Lawyersグループ ミャンマー事務所
藪本雄登
現地弁護士と協働し、タイを中心にタイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー(CLM)の案件を担当。CLMへのクロスボーダー進出支援業務、M&A、労務、税務、紛争解決案件等を担当。ビエンチャン日本人商工会議所事務局長(2015年)、カンボジア日本人商工会労務委員(2014年、2015年)等を歴任。

One Asia Lawyers (旧JBL Mekong)
One Asia Lawyersは、タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム、シンガポール、マレーシア、東京、名古屋にオフィスを有しており、日本企業向けにASEAN地域でのシームレスな法務アドバイザリー業務を行っております。各事務所には、日本人弁護士・専門家が常駐しており、ASEAN地域に特化した進出法務、M&A、コーポレート・ガバナンス、労務、税務、知的財産、不動産、訴訟・仲裁対応などについて、現地法弁護士と連携の上、現地に根付いた最適なサービスを提供しております。
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