法務・会計・税務 2017.09月号

【連載第43回】但野和博のコンサルコラムサポート実録記

事例別に紹介する新シリーズ!
個人所得税編(8)「レッグ社の場合(中編)」

~タイの個人所得税に起因する処理の件で、「日本本社の税務調査の際に指摘を受けて追徴課税になってしまった」と、相談に来られた大丘さん。次回以降、同様のケースが起きた場合のために、PND93というタックスフォームでの対応を提案するが…~
※本事例のレッグ社タイ法人は駐在員11名、スタッフ規模50名程度の加工および試験業者である。

あくまでもPND93は帰任時における年度途中の清算という位置付けからか、不思議なことにこの申告書の作成納付について、法律上義務付ける記載はない。一方、所得税の確定申告書であるPND91は義務付けられているため、正確に対応するのであれば、帰任者については同じ年度に2回、申告書を作成提出する必要があることになる。
ただ、PND93がこういった位置付けなので、2回提出している会社は稀だ。この申告書の存在自体を知っている人も少ない。

レッグ社からは、「昨年度分は仕方がないにしても、今後はPND93なる申告で、年度途中でも一度清算してもらえますか。実はこの6月にも途中帰任予定の駐在員がいるので、早速お願いします」とのことで結論に至ったが、ほかのクライアントとの間でも、今一度整理する必要がありそうだ。

帰任者については、クライアントから対応不要と言われない限りは、原則通りPND93で対応することにした。しかし、これでも対応しきれない事例が別のクライアントで起こった。そのクライアントも当然のように、本社側で毎月グロスアップになるよう均等に計算して対応していたのだが、帰任時に還付金が発生してしまったのだ。

手続き上は全く問題ない。厄介なのは、帰任後に帰任した本人しかその還付金を受け取れず、還付小切手をタイにある本人口座で自ら入金手続を取る必要があることだ。もっと言うと、帰任しても、それまで通りタイに出入りするような人でなければその手続ができず、また通常6ヵ月間で期日設定されている小切手そのものの期日を過ぎると、還付金が無に帰すことになってしまう。何かほかに現実的な対処方法はないものかと、銀行、当局、経験豊富な弁護士事務所など聞ける先に全て聞いてみたものの結論、どうしてもそういうことになるらしい。
将来的には解消される問題なのかもしれないが、実務上こういったことは起こり得る。では、なぜこのような問題は起きるのだろうか?
(次回、後編に続く)

※クライアント様の匿名性を保つために社名・人名等をはじめ、事実から離れすぎない程度の内容の変更等、脚色部分があります。


Accounting Porter Co., Ltd.
代表者 : 但野和博
所在地 : 24 Prime Building, 12th Fl., Room No.A, Sukhumvit 21 Road (Asoke), Klongtoey-Nua, Wattana, Bangkok 10110
電話番号 : 02-661-7697
事業内容 : 記帳代行、経理コンサル、進出支援等、顧客企業の事業の発展に寄与するサービス業
提携先 : 愛宕山総合会計事務所 /
日本 (代表:日本国公認会計士相川聡志)
E-mail : kazuhiro.tadano@aporter.co.th
http://aporter.co.th/


但野和博
2012年5月タイ・バンコクにて、Accounting Porter Co., Ltd.を設立。日系企業の進出サポート及び経理を中心としたバックオフィスサポートを提供するサービス業として、同社を運営中。
日本での上場事業会社2社通算6年のCFO経験を活かし、日本本社部門との直接の対応を含み、現場では管理部門の立て直しを含めた相談にも対応している。
本コラムでは、タイの経理現場で起きていることを中心に具体的なサポート実例を交えて執筆中。

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