ビジネス・経済 2015.04月号

【連載】徳谷智史がお届けする〜グローバルトップリーダーへの「秘訣」〜

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【第11回】「従業員満足度」を上げるには

東南アジアは、いまやどこも人手不足。従業員の定着に苦労している企業は多い。
弊社がここ東南アジアで多くの企業の人材育成研修を行っていると、研修以外でも定着率アップに向けた相談を受けることも多い。今回は、業務内容、待遇以外で、簡単に実践できる従業員満足度アップのポイントを扱おう―。

「見た目」を侮るなかれ

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侮られやすいが、会社の「見た目」は意外と重要だ。まずは、エントランスを綺麗にし、緑や花を置くこと。そこに、もうひとつ追加したいのがトロフィーだ。「表彰」が好きなのはアジア共通。さまざまな表彰結果やモニターを展示し、会社の権威や取り組みを訴えることが有効だ。表彰の中身は問われない。「トロフィーがあること」に意義がある。

「密」な関係創り

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従業員満足度の高い会社で共通して言われるのは「家族のような関係」であることだ。距離を縮めるためトップ自らが現場で声をかけるのはもちろん、イベントが好きなこの国では、社員旅行は極めて有効だ。
従業員の家族たちも来たいと思わせるイベントを開催する効果は大きい。日本のような部単位ではなく、全社でバス50台以上を貸切り、1000人以上の規模で繰り出す会社もあるほどだ。

わかりやすい「変化」

次は分かりやすい「変化」を見せること。頑張った従業員には、目に見える変化があると良い。色や襟、帽子を段階的に変える。「あの色のシャツが着たい」と思ってもらうことが最初の1歩になる。

「先のキャリア」を見せる

特に優秀なスタッフには、しっかりと先のキャリアを見せることが大切だ。「日本人でないと出世できない」と思わせた時点で負けだ。
ローカルスタッフであっても、頑張った先にキャリアがあることを認識させる。そのためには、皆が憧れるポジションに、ローカルスタッフのロールモデルになるような人材を戦略的に配置することが必要だ。出世頭の「シンデレラボーイ」の存在は、現場の動機づけになる。

こまめな「成長実感」

それでも、他社からの引き抜きに会わないためには、給与以外でも、日々の成長実感を高めること。
そのためには、個々に明確な目標を設定し、頻度多く、具体的なフィードバックを行うことが有効である。
日本でも最近の若手には、「背中を見て育て」は通用しない。何ができるようになったのかを具体的にタイムリーに伝えること。これでもかというほど、密に成長を感じさせないと、優秀な人材ほどここでは成長できないと、辞めていってしまう。

「自ら」考えさせる

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最後に、非常に有効なのは、押しつけではなく、従業員自らに自社を考えさせるプロセスを経験させることだ。
ビジョンも、目標も、組織戦略もトップダウンだけではなく、あえて従業員自身に一度考えさせ、ディスカッションさせるプロセスを入れること。それにより、「自分事」になるため、組織へのロイヤリティーは圧倒的に高まる。
規模の大きい組織では、従業員自らに「カイゼン」提案をさせることも有効だ。コンテスト形式でイベント化すれば効果は倍増。改善計画が実際に行われれば、自分たちの会社という意識はさらに高くなる。
今後の戦略や、ビジョンなどについて、社員を巻き込みながらの策定、落とし込みをしていって頂きたい。自社だけでは難しいというあなたは、ぜひご相談頂ければ幸いだ。

  • 従業員満足度アップのポイント
    ① トロフィーで会社の権威や取り組みを訴える
    ② 家族のような関係を築くための社員旅行
    ③ “頑張った”を示す段階的に変えたユニフォーム
    ④ ローカルスタッフのロールモデルにキャリアを用意
    ⑤ 目標設定とフィードバックで成長実感
    ⑥ 従業員に考えさせる「カイゼン」提案

 

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徳谷 智史(とくや さとし)
エッグフォワード株式会社代表取締役。ASEANビジネス展開支援のエキスパート。
大手戦略コンサルティングファームにて、タイオフィス立上・代表就任後、独立し同社を設立。
日本では教育事業を手掛けるほか、タイ・東南アジア諸国において、日系企業を中心にメーカー、外食、小売、IT、商社など100社以上の幅広い分野の成長支援、展開支援を行う。
東洋経済オンライン、アジア消費者ラボ等メディア掲載多数。
コンサルティング、講演等のご相談は右記まで。

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