ビジネス・経済 2017.07月号

【連載】半歩先読み、タイ自動車市場 ~タイ自動車ユーザの実態と展望~ 

第11回 第11回 タイの電気自動車(EV)関連政策の概要とEV市場の課題

タイは2015年1月以降、産業高度化を目指して投資奨励する産業を特定、タイ東部経済回廊(EEC)を新規産業のハブとする「Thailand 4.0」と始動させた。その一環として、工業省は重点的に推進する10の産業を選定し、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド(PHEV)はその一つの「Next-Generation Automotive」として指定され、タイ政府は関連分野の投資誘致に力を入れる。本稿では、電気自動車推進政策及びその背景を探る。

電気自動車関連政策の概要

タイ政府が最初に電気自動車推進政策を打ち出したのは、プラユット首相の指示により、2015年に国家改革評議会(NRC)が政府に対して提案した「電気自動車等次世代自動車開発・導入促進提案」に遡る。同案では、現在のEV推進政策の骨格をなす方針が打ち出されている。
また、同案を受けて、タイ国家エネルギー政策委員会(NEPC)は2016年3月、電気自動車(EV)を本格的に普及させるためのロードマップを承認し、充電ステーションを少なくとも690ヵ所整備する予定としている。同ロードマップを下に、エネルギー省は4,750万バーツの予算で、2016年10月から3年間で充電ステーション100ヵ所を整備する計画を進めている。
続いて、政府は2017年3月に投資誘致及びEV市場拡大のために、物品税、投資優遇措置を発表し、物品税を従来の10%から2%への引き下げ、BEVに対する5~8年の法人税免税措置を決定した。

「電気自動車等次世代自動車開発・導入促進提案」の概要
1) 2035年までに120万台の電気自動車を普及させ、EVの生産ハブ化を目指す。
2) 普及のために、エネルギー省の充電設備普及支援
3) BOIによるEV関連投資奨励策
4) EV及びその部品、構成部品、材料、充電設備の設計・開発の奨励
出所)NRC「電気自動車等次世代自動車開発・導入促進提案」

(次回、ArayZ8月号に続く)


マネージング・ダイレクター
岡崎啓一


シニアコンサルタント
山本肇

《業務内容》経営・事業戦略コンサルティング、市場・規制調査、 情報システム(IT)コンサルティング、産業向け IT システム(ソフトウェアパッケージ)の販売・運用、金融・証券ソリューション
399, Interchange 21, Unit 23-04, 23F, Sukhumvit Rd.,
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