ASEAN 2016.05月号

在緬弁護士が解説 ミャンマーの最新ビジネス法務 | TNY国際法律事務所

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第1回 ミャンマー進出形態

外国の会社がミャンマーに進出する際、最初に検討すべき重要事項の1つとして、いかなる形態により進出するかが挙げられます。そこで今回はまず、3つの進出方法と考慮事項について解説します。
ミャンマー進出には主に3つの方法があり、(a)会社法のみに基づくか、(b)外国投資法に基づく投資許可を取得するか、 (c)経済特区法に基づく投資許可を取得するかの選択とな ります。但し、(b)および(c)の場合であっても、会社法に基づく営業許可の取得が必要です。
いずれの方法によるかは、基本的に会社の任意の選択となりますが、ホテル事業など一部の業種においては、(b)又は(c)に基づかなければならなりません。

「外国投資法」又は「経済特区法」の投資許可を取得するか否か

(a)、(b)又は(c)のいずれの方法で進出すべきか。その考慮要素としては、主に以下の5つが挙げられます。

①初期投資額に関して、(b)の場合、最低資本金が規定されていない。そのため、最低資本金額はミャンマー投資委員会の裁量に基づく。 (c)の場合は経済特区法に関連する通知上、業種ごとに最低資本金が規定されており、いずれの業種においても会社法のみに基づく会社以上の最低資本金額が必要とされている。
②外国投資法の恩恵を受ける必要性に関して、(b)又は(c) の場合、優遇措置として、税減免措置の恩典や土地の長期の賃借権等が存在する。
③会社設立に要する時間および手続的負担に関して、(b) 又は(c)の場合には、会社法に基づく営業許可に加え、投資許可を取得する必要があるため、必要書類が増加し手続的負担が大きい。しかし、(c)の場合は必要書類を揃えた上でOne Stop Service Centerに提出した場合、約1ヵ月前後で許可を取得できる。
④雇用規制に関して、(a)の場合はミャンマー国民の雇用義務に関する規制は特に存しない。しかし、(b)及び(c)の場合には一定比率以上のミャンマー国民の雇用義務が課せられる。
⑤地理的条件に関して、(c)の場合、(a)及び(b)と異なり、法律により指定された経済特区(ティラワ、ダウェイ、チャオピュー)において設立する会社に対してのみ経済特区法は適用される。

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堤 雄史(つつみ ゆうじ)
TNY国際法律事務所共同代表弁護士
東京大学法科大学院卒。SAGA国際法律事務所 (www.sagaasialaw.com)代表弁護士。
2012年よりミャンマーに駐在しており、日本人弁護士では駐在期間が最も長い。2016年2月にはタイにTNY国際法律事務所(www.tny-legal.com)を設立し、契約書の作成、 M&A等を取り扱っている。
yujit@sagaasialaw.com

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