国際交流基金主催、平田オリザ「バンコクノート」上演

2017.11.01


【通し稽古の様子】

 

日タイ修好130周年記念事業として平田オリザ氏原作演出の「バンコクノート」が11月2日から11日まで、チュラロンコーン大学文学部内の劇場で上演される。

「バンコクノート」は、95 年に平田氏が原作演出を手掛けた「東京ノート」をベースとした演劇作品。岸田國士戯曲賞を受賞した「東京ノート」は、これまでにも「ソウルノート」「台北ノート」など各国の都市に設定を翻案した作品を発表している。

演劇という手法を通して社会問題を静かに問いかける平田氏の作品。きらびやかな舞台、おおげさな芝居などとは対極にあり、日常の会話劇が中心となる。まるで誰かの生活を覗き見ているような感覚。時に同時多発的に会話が展開するのも特徴的。複数の会話が発生しても不思議なもので自分が聞き取っているのは一つの会話。自分がそれを選び取ったということは、今、自分が気にしているコトだろう。内在する気づきが顕在化される。そんな関係性を築ける作品だ。

平田氏は「本作はタイ人のタイ人によるタイ人のための作品。タイは、アセアンの経済中心国として急成長している。経済成長の後を追うように小劇場が活性化する傾向があり、タイの演劇はこれからが楽しみ。04年に始めてタイで上演したこともあり、今の環境は感慨深い」と述べた。

10カ月の準備期間を経て上演される本作は、バンコク・シアター・フェスティバルオープニング作品だ。平田氏は「私の厳しい指導についてきてくれた。完成度は高い」と自信をみせる。全編タイ語(日・英字幕付き)だが、静かな演劇をタイ人がどう受け止めるのか、それも鑑賞の一つかもしれない。

<上演概要>
原作・演出 平田オリザ
日時;11月2日(木)から11日(土)までの全8回公演
場所;チュラロンコーン大学文学部内劇場(BTSサイアム駅徒歩12分)
チケット;一般600バーツ、学生300バーツ
問い合わせ先;国際交流基金バンコク日本文化センター
02-260-8560/tomita@jfbkk.or.th

<「バンコクノート」あらすじ>
近未来の美術館ロビーが舞台。遠い国で大きな戦争が起こり、そこから避難してきた絵画を前にタイ人の家族や恋人たちが、両親の世話や相続問題、進路や恋愛など断片的な会話を繰り広げる。戦争という大きな背景を前にバンコクで生活する人々の姿が描写され、その中から現代社会の問題点と危機があぶり出される。

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