中野陽介コラム

知ってる?アートの楽しさ!作品の中に隠れたメッセージ Vol.9 『悟り』

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Vol.9 『悟り』

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「芸術は才能ある一握りだけの狭き門」という先入観のせいで、お絵描きや図画工作が大好きだったのに、それで生きていこうなんて思えませんでした。

しかし偶然立ち寄った本屋さんで出会った一冊「今日の芸術」(岡本太郎著)が、そんな先入観を吹き飛ばし、芸術こそ僕の生きる道だったと気づかせてくれました。
この絵は、頭の中でモヤモヤと錯乱していた「点たち」が、芸術という「線」で繋がった瞬間、それまでの先入観を持った自分を捨て去り、新しい自分に生まれ変わる瞬間を表現しています。

それ以降ひたすらに作っていると、あんなに狭き門だと思っていた芸術の道が見え始めました。
嬉しさと同時に、なぜ好きだったのに今までやらなかったんだろうと後悔の念もこみ上げてきました。

頭で考えることが、いかにちっぽけか。そして僕たちはいかに先入観に捉われているか。
でも、どうせ、私なんか、という姿勢は、楽な方に逃げるための甘えにすぎないと僕は思います。
元々決められたレシピもない人生なら、自分の可能性を信じて、思考を越えたところに自分を賭けた方が面白い。
そのためには、素直に心に従うことが必要ですが、そうすると現代社会では、それは一種のアホウとされてしまいます。
しかしアホウに殉じた偉人たちが、過去成し遂げてきた偉業を見れば、そんなにアホウでもないことがわかります。
現代社会を生き抜くためのスマートさと、無限のロマンを求めるアホウ。
一方だけに偏りすぎることなく、共に併せ持って生きていきたいと思います。
あなたはどんなアホウになるのでしょうか。

8月からは新連載「世界一周アート旅行記」をお届けします。

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中野陽介
1987年福岡県生まれ。ロサンゼルス・シティ・カレッジ卒業。
ロサンゼルスで演劇と芸術を専攻、数々の映画製作と芸術活動に参加後、活動場所をバンコクに移動。
タイ上場企業に勤務しながら、バンコクで芸術家活動を継続。
2013年9月に「芸術研究所」を設立、バンコク初の「芸術討論会」を開催。
2014年、バンコクの街中で日本人初のアートデモを実施。2015年10月、個展「ART IS LOVE」を開催。
同年、岡本太郎財団主催「太陽の塔に対峙せよ!」アイディアコンペでは、応募総数150作品の中から、優れた28作品の1つに選出される。絵画、彫刻、アートデモ、書道、ブログなど、幅広い分野で芸術の素晴らしさを表現し、今後予定している数々のイベントに備えて活動中。
http://yosukenakano.com
http://art-geijutsu.com

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