中野陽介コラム

世界の路上ワーカー 路上に溢れる可能性

1 ハンドメイドジュエリー店 (アルゼンチン/ブエノスアイレス)

市内のサンテルモ地区にあるデフェンサ通りでは、毎週日曜日、様々な路上ワーカーが出店する「サンテルモ市」が開かれ、地元民や観光客で賑わう。たくさんの路上ワーカーの中に日本人が出店していたので話を聞いてみた。

毎週日曜日はここで働き、平日は人通りの多い繁華街で路上ワークしているという。週4日の路上出勤で時間は10時から18時。1日の平均売上は、平日約1,000ペソ(日本円約7,000円)で、土日は2,000~3,000ペソ(日本円約14,000~21,000円)になるという。

6年前からジュエリー製作を独学で覚え、それで生活できるまでになった。貯金もいくらかあるそうだ。初めは外国人ということで路上の場所取りもなかなか上手くいかず大変だったが、今では周りの路上ワーカーたちと仲良く挨拶を交わし合ったり、彼に教えを請いに来る人まで居たりして、そこに必要な人となっていた。

不躾な質問にも嫌な顔一つせずに素直に答えてくれた、彼の柔らかく優しい人間性と器の大きさはカッコよかった。
「将来の不安はないんですか?」と聞くと「ないと言えば嘘になるけど、なんとかなるやろうし、なんとかするよ」と、軽やかに答えた。


中野陽介 芸術家。
1987年福岡生まれ。07年渡米、Los Angeles City College卒業。数々の映画制作に参加後、芸術に目覚める。12年 渡タイ、バンコクで芸術家とサラリーマンの2足のわらじ生活を送る。16年に1年間で22ヵ国を巡る世界一周旅を敢行。自作の「芸術入門サイト」(art-geijutsu.com)は10万アクセス突破。作品や活動記録は下記サイト参照。
yosukenakano.com

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