日本人会計士が語る、在タイ日系企業の「会計のあるべき姿」①

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現地経営者の大きな悩みが会計への対応だ。多くの企業では、記帳代行によるミスが多い、期限に間に合わないなど問題を抱えているものの、経理担当の日本人がいないことから、解決方法が分からないという現状がある。

そこでArayZでは、日本国公認会計士であるBBSタイランドの西川氏へ「会計のあるべき姿」について3回にわたりインタビュー。プロによる、現地経営者のためのアドバイスを今回から3ヵ月連続で紹介する。

乗り越えるべき3つのステージ

タイの会計実務の課題は大きく2点あると西川氏は言う。
「まず1点目として、多くの企業様で、『会計数値が不正確かつ出来上がりが遅い』という問題があります。また2点目として、これは私の問題意識ですが、多くの企業様では『会計情報が経営に活用されていない』と感じています。会計の本来の目的の1つは会社の実態を数字で表現し、それを経営判断に活用することです。会計数値という確かな情報に基づいて経営判断を行うことで、感覚だけに頼ることのない、より安定感のある会社経営が可能です。しかし、「法律で求められているため仕方なく」経理を行い、数字作りに終始してしまう企業様も多いのが実情ではないでしょうか。

『正確かつタイムリーな経理』と、『会計情報の経営への活用』を実現するためには、

1.記帳代行から自社経理への切替え

2.社内不正などの自社経理によるデメリットの克服

3.会社情報の経営への活用準備

という3つのステージを乗り越える必要があると考えています。
今回は、『①記帳代行から自社経理への切替え』についてお伝えしたいと思います」。

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