Book Review 社長が紹介する、一冊　UCC UESHIMA COFFEE (THAILAND) CO., LTD. 小村健吾

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』　東野圭吾著　角川文庫　298B

仕事脳をリセットする読書

廃業したはずの『ナミヤ雑貨店』を舞台に、時空を超えて交わされる人々のストーリーと秘密を巡る、ベストセラー小説家・東野圭吾の感動ミステリー。
「子供の頃は読書嫌いだった」というUCC上島珈琲タイ法人の小村社長が、読書に目覚めたきっかけを作ったのも、同作家のミステリー長編『白夜行』だった。以来、小説はもちろん、ビジネス関連や、職業柄コーヒー、ワイン、ウイスキーといった嗜好品に関する本など“年間24冊の本を読む”という自身のノルマを15年にわたり続けている。一冊の本を、じっくり、深く味わいながら読むのが好きだと話す。
「読書嫌いを克服すべく、挑戦するからには分厚い本にしようと手に取ったのが『白夜行』でした。センセーショナルな内容に、“読み始めたら止まらない”という感覚を初めて味わった作品です。東野作品の、主人公のバックボーンがミステリアスであったり、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』のように、現実には起こるはずのないことが起きる、それでいて人情味のある世界感に引き込まれます。私にとって読書とは、仕事で疲れた頭をリセットしてくれる、また自分の考え方を変えなければいけない時、立ち位置を元に戻してくれるツールのようなもの。父親が家で本を読む姿を見てか、中学生の娘にも本を読む習慣がつきました。本書も娘と感想をシェアした一冊。読書は親子で共通の趣味でもあります」。