ブック 2018.12月号

市場調査のプロを唸らせるマーケティング戦略論 『確率思考の戦略論』

市場調査のプロを唸らせるマーケティング戦略論

ASEAN JAPAN CONSULTING Co., Ltd.
阿部 俊之

早稲田大学を卒業後に渡タイし、同社を設立。現地の経済情報を伝えるほか、日本企業の海外進出支援、タイ企業とのビジネスマッチング、F/S支援事業などを手がける。タイ語、英語を駆使して、現地・地場の視点から市場を分析できるのが強み。
https://www.asean-j.net/

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経営が悪化していたユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)をV字回復させた森岡毅氏と今西聖貴氏が共著したマーケティング戦略論。両氏はそれぞれCMO(チーフ・マネジメント・オフィサー)、シニアアナリストとして、就任後わずか3年間で、年間来場者数を700万人から1,000万人に増やした実績を持つ。2017年にはマーケティング精鋭集団「刀」を設立し、企業再生コンサルティングサービスを提供している。

本書では再生プロジェクトに成功をもたらしたマーケティング思考や計算法が、惜しみなく公開されており、マーケティング戦略を具体的に立案する過程が事細かに書かれている。

特に「経営資源を集中すべきはプレファレンスである」「人間は意思決定を避ける生き物」「市場調査の本質はプレファレンスとその仕組みを解明してマーケティング決定者に提供すること」と言うくだりに感銘を受けたという阿部社長。在タイ日系企業は、日本人だけでなくタイ人の顧客にも同様の戦略を採用することが可能と指摘する。

在タイ歴15年を越えた阿部社長は、タイを中心にアセアン域内での市場調査を手掛けている。「農業・製造業など様々な案件の中でも、サービス産業の市場調査やタイ企業の調査依頼が多い」と、同書から得た気づきを調査・分析を行う際に活用している。

ビジネス環境が大きく変化している現代の中でも、一生使えるマーケティング理論が数多く解説されている同書は、数あるマーケティング書の中でも秀逸な一冊である。

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