ブック 2019.05月号

視点を変えて価値を考察する『バリアバリュー 障害を価値に変える』


Matsunaga (Thailand) Co., Ltd.
早矢仕真史
岐阜県生まれ。コピー機会社を経て、カナダにワーキングホリデービザで滞在。帰国後に、車椅子メーカーの松永製作所へ入社。2014年に現地法人立ち上げに伴い、同社のManaging Directorに就任。高齢化が加速するタイで、高級車椅子の営業活動を行う。
https://www. matsunaga.co.th


垣内俊哉著  
新潮社 480B

 「フェイスブックの友達の友達が筆者。仕事に関連する内容だったので興味が湧き、本書を手に取りました」――車椅子などを製造する松永製作所タイ法人の早矢仕真史氏はこう語る。車椅子に乗る筆者の目線の高さは106センチ。その視点から「障害は人でなく、環境にある」という考え方で自身の価値を考察。「でも」自分は目の高さが低くてできないのではなく、「だから」こそ他人と違うことができるということに気づき、バリアをバリューに変えた。

 早矢仕氏は職業柄、車椅子の方々と接する機会が多い。だが、自分の障害を受け入れバリアと向かい合っているからか、特別扱いするのはやめてほしいと言われるという。英語が不得意、小心者なので商品のプレゼンテーションは遠慮したいなど、人は誰しも短所や苦手なことがあり、それを克服するのは容易でない。「苦労した分、達成した時の喜びは大きいし、自信もつく」と、自分の子供やスタッフに少し見方を変えるよう説く。

 入社以来、営業成績を上げることだけに集中してきた自分に足りないのはコスト感覚と、最近気が付いたと振り返る。経理担当者と衝突することもあったが、それは自分ができないことをやっている人への配慮が足りていなかったと反省。障害を克服し、強みを価値に変える「反転戦略」を参考に、相手の気持ちを察して、少し視点を変えることで快適な環境が自身の周りに生まれることに気づいた。

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