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【第16回】ラオス、カンボジア編

タイの周辺、メコン4ヵ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)現地で流行しているモノやコト、最近増えている、または注目の投資業種や案件、新制度の決定や施行とその実情などの政治経済トピックを、現地在住の専門家よりお届けするコラム。
第16回はラオスとカンボジアからのレポートです。

ビエンチャンのeコマース事情

最近、ビエンチャン市内で、鮮やかな緑色の車を見かけたので、一体何だろうと運転手に声をかけてみると、1枚のチラシを手渡されました。そこには「ラオス初のOnline Supermarket」とあります。そこで、インターネットで検索してみたところ、オンラインで食品などを購入すると、あの緑の車で自宅まで届けてくれるのだそうです。

ラオス国内のeコマースについてどんな法律や規制があるのか、商工省に聞き取りに行きました。すると、eコマースは新形態のビジネスで、既存の消費者保護法(2010年)や電子商取引法(12年)ではカバーされておらず、まさに現在、商工省、郵便・電気通信省、科学技術省などが新しい法令を起草中とのことでした。

eコマースは政府も注目するビジネスのひとつで、すでに商工省とラオス商工会議所が主導する「Plaosme.com」というオンラインショップもあります。今後のスピーディーな法整備が期待されています。


オンラインスーパーマーケットのチラシ
ラオスの中小企業が出店するオンラインショップ「Plaosme」


One Asia Lawyers ラオス事務所
内野里美
1979年生まれ、東京外国語大学ラオス語学科卒業。
2005年よりラオスにて日本のNGO、日本大使館勤務を経て2016年3月よりJBLメコンラオス事務所に常駐、現在に至る。
info@oneasia.legal
http://oneasia.legal/info

カンボジア総選挙の先に見えるもの

1993年の総選挙でカンボジアが新たな国造りをスタートして25年。今年7月には、そこから数えて6回目の総選挙が行われます。

真の民主主義の根底には、自由で公正な選挙が下地としてなければなりませんが、過去のカンボジア総選挙では必ずしもそのようにはなっていませんでした。例えば前回2013年の総選挙では、1,000万人近い有権者のうち、100万人以上の有権者が選挙名簿から漏れていたり、多くの海外出稼ぎ労働者達が投票の機会を与えられなかったりしました。また票の売買、票の集計方法の不正、一部メディア統制などの問題も生じました。

今年の総選挙では、フンセン首相率いる与党人民党の圧勝が予想されていますが、この背景には今年に入り実施された最大与党の解体が大きく起因しています。親中姿勢が強い与党人民党が大勝利を収めることが、中国の覇権主義を受け入れることとイコールにならない事を祈るばかりです。真の民主主義実現に向けて、大好きなカンボジア国民と政府の信頼関係が築かれて欲しいものです。


MATES GLOBAL COMMUNICATIONS CO., LTD.
代表取締役 柳内 学
1975年生まれ、城西大学経済学部卒業。2007年、カンボジアにNGOの職員として赴任し、日本語学校の設立運営に従事。2009年、教え子と共に同社を設立。
現在はカンボジア人向け情報誌の発行事業を主に他事業を分社化、経営を多角化している。カンボジア在住10年。
yanai@mateskh.com
https://chugapon.com
www.mateskh.com

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