タイで優秀な人材を採用する方法 タイ人が働き続けたい会社とは(後編)|en world

en world

実力のある現地人材は、そもそも日系企業を選択しているのだろうか?さらに採用後、企業へ根付かせるには?下川ゆう氏が現状と方法についてお話します。

タイ人はジョブホッピングが多いので、高給で優秀人材を採用してもすぐに辞めるのでは?

日系企業からよく聞かれる、もうひとつの質問は離職率についてです。年功序列の文化が今だ色濃く残る日系企業の視点で見ると、1〜2年ごとに転職している候補者は定着性に不安があり、採用は当然お断り。多くのタイ人に「忍耐、根性!」精神が通じるはずもなく、現職に不満がなくとも、より良い待遇を求め転職をする傾向があります。離職の理由はさまざまですが、採用時のミスマッチや誤解も大きな原因のひとつです。前編ではタイローカル、欧米系、韓国系企業を経て日系企業(以下、B社)に転職したA氏の経験についてお話しました。今回はA氏が日系企業へ転職した決め手と、採用したB社社長に聞いた優秀人材獲得の秘訣についてお話します。

まず、A氏がB社に決めた理由について。面接終了後のフィードバック確認時、A氏から開口一番に出た言葉は「B社社長と是非一緒に働きたい」でした。理由は面接の中で経歴などの確認だけでなく、B社が現在抱える問題について率直に伝え、組織図などを見せながら、A氏に意見をオープンに求めたB社社長の姿勢や人柄に魅力を感じ、共感したから。一次面接中に条件を交渉し、面接終了後すぐにオファーを提示すると、A氏も即日入社を決意。意思決定のスピードも鍵になりました。
B社社長に採用を成功させる秘訣を聞いたところ、優秀人材にはあえてプレゼンテーションなどの課題は与えず、対話をするように心がけているとのこと。社内の状況や抱えている課題に関しては隠さず全てオープンにし、短時間でも一緒に解決法について議論をすることで価値観のすり合わせを行っているそうです。
特にエグゼクティブ人材採用に関して日系企業は給与などの待遇面は欧米系の企業よりも低めに設定し、ボーナスや福利厚生を充実させる場合が多く、給与体系が年齢や経験年数によって決められていること、また長期勤務の既存社員との給与バランスからも、採用マーケットでは競争が難しいケースが多く見られます。就職売り手市場のタイでは面接や採用プロセスでの相互理解、企業側からの情報提供、職務内容の明確化など、給与以外の魅力をアピールし、候補者を選ぶだけでなく、候補者に選ばれるための企業努力が必要です。

 

en world
下川ゆう yu shimokawa
en world Recruitment (Thailand) Co., Ltd.
Team Manager – Japanese Company Specialists
立教大学卒業。大手人材紹介会社の
東京本社で経験後、2009年に来タイ。
以来、在タイ日系企業への人材紹介
に従事。顧客企業の組織発展のため
の採用支援を得意とし尽力している。

en worldはグローバル企業に必要な、中間管理層以上のプロフェッショナル人材採用を支援する人材紹介会社です。
アジア太平洋地域7ヵ国・14拠点に展開するグループ全体で求人企業、求職者のデータベースを共有。日本からタイへ、タイから日本や他国への人材紹介も行っています。
実績のある日本人コンサルタントが、日本人・タイ人問わず、日系企業様のニーズに合ったトップクラス人材紹介にベストを尽くします。

事業内容
●人材紹介(成功報酬制)
●ヘッドハンティング、エグゼクティブサーチ
●求人のご紹介 ●転職、キャリア支援

en world

gototop