ビジネス・経済 2018.11月号

ITへの投資時の実務及びPMI

日本とアジアで20年、1300社の経営に
寄り添ってきたエスネットワークスが解説する、
在アジア日系企業の経営管理術。

IT投資の効果

ローカル企業の買収もしくは現地法人を新規設立した際に、早期にIT投資を検討、実施するケースは非常に多いです。

これらのIT投資を的確に判断するには、その「効果」を理解しておく必要があります。例えば、IT投資によって人的作業で行われていた売上情報の集計が、自動集計され、当該時間分の人件費が削減される、あるいは別の売上獲得のための口数に人的リソースを割く事ができます。

このような場合、数年で人件費削減コストがIT投資額を回収できれば、投資実行を行うべきです。

投資の判断から実行までに陥る罠

投資を判断し、ITシステムが実務フローまで落ちるまでに多くの罠があります。多くの方はIT投資を行えば必要な情報を無理なく入手でき、業務が効率化すると考えがちです。実際は、運用までにコストが想像以上に掛かるといったケースがきわめて高い確率で発生します。特に要件定義とシステム構築時に多くのコストが発生するケースです。

要件定義の際によく陥る罠は、短期間で現地スタッフが行っている業務内容を、詳細なレベルまで把握し、システムベンダーに要件定義を行えない事です。回避する方法は、要件定義段階ではタスク、期間を多く見積もり、ステークホルダーに余裕を持った計画を伝え、十分な社内リソースを投下する、もしくは弊社の様な常駐型コンサルティング会社に外注し、可能な限り100点を目指す業務を行う事です。

システム構築の際によく陥る罠は、CFOがシステム会社との進捗を丁寧に確認しておらず、最終段階で全く違うアウトプットが出てきてしまう事です。最終段階だと修正することは難しく、結果的にこのシステムを使い続けることになってしまいます。CFOやプロジェクトマネージャーはシステムベンダーと綿密に連携を取り、定期的な報告会を行い、システム会社とゴールを常に擦り合わせて行く事が重要です。

システム投資から実際の運用までには、多くの時間と人的コストが必要です。社内に海外でシステム導入経験者がいない場合は、一度導入段階だけでも専門家への外注をお勧め致します。

奥村 宙己
Hiroki Okumura
立命館アジア太平洋大学卒業。2014年、(株)エスネットワークスに新卒として入社。スポット支援として事業計画作成、事業デューデリジェンス、財務デューデリジェンス、M&Aアドバイザリーを担当。常駐支援として管理体制構築支援、月次決算体制構築支援、再生企業の事業計画実行支援、クロスボーダーPMIを担当。タイ国において進出サポート及び会計・税務コンサルティングに従事。

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