ビジネス・経済 2018.12月号

第32回 中古物件のリファビッシュは儲かるビジネス!

第32回 中古物件のリファビッシュは儲かるビジネス!

リファビッシュメント(全面改装)

筆者は著書「バンコク不動産投資・基礎編」の中で、割安な中古物件を買ってリファビッシュする方が新築購入より投資効率が高いと書いた。地価高騰に伴う新規プロジェクト販売価格の急上昇に中古の値上りが追いつかず、著しく割安な状況が続いているからだ。しかし、理屈だけでは説得力に欠ける。そこで論より証拠、中古物件を買って徹底的に改装してみた。

隠れたポテンシャリティを見逃すな

その物件はトンロー通りソイ25にある築6年のローライズ(高さ23メートル制限)コンドミニアム。いつも「30㎡の狭小物件など買ってはいけない」と主張していることもあり、筆者が買ったのは40㎡とやや広めの1ベッドルームだ。しかし、中はボロボロで、無名の中小デベロッパーということもあり、ご多聞に漏れず最悪の施工であった。サッシ周辺のコーキングが早くも破れて雨水が浸み込んだ結果、壁に黒カビが広がり、床板は既に腐り始めていた。こんな問題物件を買おうという人は普通はいない。

しかし、実はこの物件には大きな魅力があった。同じ高さのローライズが隣接して建つトンローのソイは解放感のない窮屈な物件が多い。だがこのユニットにはリビングからの視界を遮るものがない抜群の眺望があった。将来はスーパータワーも一望できる。しかも角部屋2面開口で風通しもよく、日本人向きのバスタブ付きだ。そこで筆者はこれを300万バーツ(約1,030万円)、75,000バーツ/㎡まで叩いて買ったのである。

そして、インテリアデザイナーに筆者のコンセプトと予算を伝えて改装プランを練った。特にこだわったのが床材である。腐食した安っぽいラミネート板を全撤去し、鏡面仕上げのセラミックタイルに替えて高級感を出した。また、クローゼットやシェルフ等の物入、ベッド、リビングTVボードを全てビルトインに替えて統一感を持たせた。そしてもちろん、コーキングの打ち換えやウォータータイト(防水)補修にも万全を期した。その結果、33万バーツ(約110万円)の工費をかけてできたのが下の写真である。

適正価格であれば「出口」の扉は開く

この出来ばえに筆者も超強気になり、7月に入って460万バーツで売り出した。日系仲介のBHGにも媒介依頼したので、彼らのフリーペーパーの広告でこの写真を見た人もいるかもしれない。ところが、いつまで経ってもオファーが入らない。それどころか3ヵ月でわずか2件の内見しかないという惨憺たる状況であった。

さすがに筆者も売値が高すぎたと観念し、10月に入り早目の転売を狙って売値を一挙に420万バーツに下げた。すると、それまで消極的だったタイ人仲介業者の態度が一変したのである。取引のあるタイ人投資家に推薦し、次々と案内が入るようになったのだ。その結果、値下げ後わずか1ヵ月で買手がつき、改装費用、仲介料、特定事業税等、全てのコストを引いたネット利益で43万バーツ(約150万円)を実現できた。

ただ、元々投資金額が小さいので、筆者自身が現場に通って施工監理をやり、随分手間暇をかけた割に儲けは少ない。従って、次は賃貸需要の大きい100㎡程度の掘出し物件を改装し、転売でなく中長期投資にチャレンジしてみようと思っている。


ビフォア


アフター


藤澤 慎二
前職はドイツ銀行の国際不動産投資ファンド、RREEFのシニア・アセットマネジャーで米国公認会計士。現在はバンコクに在住し、自身のブログ「バンコクコンドミニアム物語」(http://condostory.blog.jp)で、バンコクの不動産マーケット情報を発信している。

連絡先:087-481-9709
bkk.condostory@gmail.com

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