ビジネス・経済 2018.12月号

【連載】カシコン銀行経済レポート 2018年11月号

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タイ経済・月間レポート(2018年11月号)

9月のタイ経済は輸出と工業生産が縮小

・2018年9月のタイ経済は景気の拡大基調が減速しました。民間消費は引き続き拡大しています。しかしながら、輸出は19ヵ月ぶりに収縮に転じ、それにともない工業生産も減少に転じました。観光業はわずかながらも拡大しました。
・2018年10月の消費者物価の上昇率は、前年同月比1.23%上昇しました。16 ヵ月連続で上昇したものの、2ヵ月連続で伸びが鈍化しました。非食品・飲料部門の伸びが3ヵ月連続で減速したことなどが響きました。また、原油高の影響が一部製品の原料費や半製品の生産コストを押し上げています。一方で、振れ幅の大きい生鮮食品とエネルギーを除くコア・インフレ率は、同0.75%の上昇でした。
・タイは、インドシナ半島の中心に位置するという地理的優位性を有しており、航空事業においてアセアン地域のハブとなる可能性があります。よって、タイ政府は、タイをアセアン地域における航空ハブに成長させる方針で、ウタパオ空港の拡張計画と航空機保守・点検・重整備センター開設計画を推進しています。
・現在、欧州航空機大手エアバスとタイ国際航空は、タイ政府と共同で航空機のMRO拠点をウタパオ空港に設けることで合意しました。投資額は110億バーツの見込みです。新しいMROセンターは、アジア太平洋地域で最新、かつ幅広い機種に対応する施設の1つとして、すべてのワイドボディ機の整備、ライン整備を担う予定です。

2018年9月のタイ経済情報

タイ中央銀行が発表した2018年9月の重要な経済指標によると、タイ経済は景気の拡大基調が減速しました。民間消費は引き続き拡大していますが、輸出は減少しました。その結果工業生産も連動して減少しました。観光業はわずかながらも拡大しました。主にアセアン諸国からの観光客がけん引しました。

9月の民間消費は前年同月比4・4%上昇しました。ほぼ全ての支出カテゴリーで消費が増えています。例外は非耐久財で、前年同月比で収縮しました。比較ベースとなる前年同月の数値が高かったハイベース効果が一因です。前年は、物品税率の引き上げを前にしてアルコール飲料とたばこの買い溜めが生じていました。

一方で、民間投資は前年同月比変わらずで、設備投資は微増となりました。機械・機器向け投資が同5・1%伸びる一方、自動車への投資は同11・5%下落しました。

9月の輸出は、前年同月比5・5%収縮しました。オーストラリア向けの乗用車の輸出がこれより前に急増していた反動、さらに台風の影響で日本、フィリピン、香港向けの輸出が収縮したことが理由です。また、スマートフォンの輸出は、前年同月に新モデルの発表を受けた輸出増があり、比較ベースが高水準となるハイベース効果が生じました。

工業生産に関しては、前年同月比2・6%減となり、11ヵ月ぶりにプラス成長からマイナス成長に転じました。輸出が減少した結果、工業生産も縮小しました。

観光業では、外国人観光客数が前年同月比2・1%増の265万人となりました。7月上旬に南部プーケットで中国人が多数亡くなるボートの転覆事故が起きた影響で、中国からの旅行者が減少しました。しかしながら、マレーシアを中心とした東南アジア諸国連合(アセアン)からの旅行者が増加して相殺しました。

2018年10月のタイのインフレ率

商務省が発表した2018年10月のヘッドライン・インフレ率は、前年同月比1・23%上昇しました。16ヵ月連続で上昇したものの、2ヵ月連続で伸びが鈍化しました。非食品・飲料部門の伸びが3ヵ月連続で減速したことなどが響きました。また、原油高の影響が一部製品の原料費や半製品の生産コストを押し上げています。

品目別にみると、非食品・飲料部門が前年同月比1・79%上昇しました。運輸・通信のうち通信が同0・1%下落したほかはプラスでした。昨年9月に物品税制が改正されてから5%台で推移していたたばこ・酒の上昇率は、改正から一回りして伸びが同0・4%に大幅に減速しました。

食品・飲料部門は同0・26%増となりました。米・粉製品の上昇率が4・87%増となりました。果物・野菜は下落したものの、非アルコール飲料が同1・77%上昇するなどそのほかはプラスでした。一方で、振れ幅の大きい生鮮食品とエネルギーを除くコア・インフレ率は、前年同月比0・75%の上昇で、前月から伸びがやや減速しました。

2018年11月の外為相場

米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)は11月8日の会合で、政策金利を年2・0~2・25%に据え置くことを決めました。底堅い景気拡大が続いていると判断しており、12月の次回会合で今年4回目となる追加利上げを決める公算が大きいです。

そして、米サンフランシスコ連銀の総裁に就任したばかりのデイリー総裁はブルームバーグとの初めてのインタビューで12月会合の追加利上げや2019年度の少なくとも2回の利上げを示唆しました。このため、米国の長期金利が継続的に上昇していくと予想され、ドル買いの要因となっています。ドル円相場は、11月12日に1ドル=113・72円までドル高・円安が進行しています。2019年はそのままドル高・円安傾向が継続すると予想されます。

タイにおけるMRO事業参入の動向

現在、タイは世界から多くの人がやって来る中核的な目的地となっています。とりわけ、2016年におけるバンコクへの渡航者数は1941万人と、2年連続で世界1位となりました。ローコストキャリア(Low Cost Carrier:LCC)も次々とサービスを開始しました。

この急成長は世界中で見られた現象で、特にアジア太平洋地域が伸びました。エアバスは16~35年の今後20年間の需要を予測して、旅客機の利用客は年率4・5%で増加すると見ています。大型旅客機の需要の増加を見込み、100人乗り以上の旅客機の需要を合計33000機と見積もっています。アセアン地域を含むアジア太平洋地域は、世界で最も大型旅客機の需要が増える地域となります。

タイは、インドシナ半島の中心に位置するという地理的優位性を有しており、航空事業においてアセアン地域のハブとなる可能性があります。よって、タイ政府は、タイをアセアン地域における航空ハブに成長させる方針で、ウタパオ空港の拡張計画と航空機保守・点検・重整備(Maintenance, Repair and Overhaul:MRO)センター開設計画を推進しています。

それにともない、航空会社の外資規制緩和が閣議で承認され、外国企業による空港運営、MROセンターへの51%以上の出資が可能となっています。MROセンターは、開発中の新経済特区「東部経済回廊(Eastern Economic Corridor:EEC)」に立地するウタパオ空港の中心に設立される計画です。

具体的な例として、欧州航空機大手エアバスとタイ国際航空は、タイ政府と共同で航空機のMRO拠点をウタパオ空港に設けることで合意しました。投資額は110億バーツの見込みです。新しいMROセンターはアジア太平洋地域で最新、かつ幅広い機種に対応する施設の1つとして、すべてのワイドボディ機の整備、ライン整備を担う予定です。また、施設には機体データを分析する最新のデジタル技術、機体を検査するドローンの活用を含めた検査技術が備えられる予定です。この施設には、複合材を使用する機体への対応を含む専門の修理工場および、タイならびにタイ国外の技術者向けメンテナンス・トレーニングセンターが設置され、MROコンプレックスとなります。

 

※本資料は情報提供を唯一の目的としており、ビジネスの判断材料とするものではありません。掲載されている分析・予測等は、資料制作時点のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、予測の妥当性や正確性が保証されるものでもありませんし、商業ないし何らかの行動の為に採用することから発生した損害の責任を取れるものでもありません。本資料の予測・分析の妥当性等は、独自でご判断ください。

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