ビジネス・経済 2019.02月号

【連載】カシコン銀行経済レポート 2019年1月号

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タイ経済・月間レポート(2019年1月号)

11月のタイ経済は民間消費と投資の拡大により引き続き伸長

2018年11月のタイ経済は引き続き伸長しています。民間消費、民間投資、および工業生産が拡大したことに加え、前月に落ち込んだ観光業も回復軌道を辿っています。一方で、輸出の伸びはほぼ横ばいでした。ハードディスク駆動装置や携帯電話、自動車の輸出が、前年同月に好調だった反動で減速し、輸出額を押し下げました。
2018年12月の消費者物価の上昇率は、前年同月比0.36%上昇しました。18ヵ月連続で上昇したものの、4ヵ月連続で伸びが鈍化しました。非食品・飲料部門の伸びが5ヵ月連続で減速したことなどが響きました。一方で、振れ幅の大きい生鮮食品とエネルギーを除くコア・インフレ率は同0.68%の上昇で、前月から伸びがやや減速しました。
2019年のタイ国内自動車の販売台数は18年に比べ縮小する見込みで、前年比2~5%減少し、98万~101万台になると予測します。自動車全体の台数は落ち込みますが、電気自動車(EV)を含む電動車販売台数は増加すると予想しています。カシコンリサーチセンターは、電動車全体の販売台数を、18年と比較して76~83%増の3万7,000 台~3万8,500台になると見込みます。
電動自動車の国内販売にプラス影響を与える要因は多数存在します。特に多くの自動車メーカーが電動車への投資を進めており、2019年に発売を開始する予定です。また、タイ政府もエコEVを推進しており、性能が高い車種に通常よりも魅力的な価格設定が可能になります。

2018年11月のタイ経済情報

タイ中央銀行が発表した2018年11月の重要な経済指標によると、タイ経済は前月に引き続き拡大しました。民間消費が拡大を続けた結果、民間投資と工業生産も拡大しました。それに加え、前月に落ち込んだ観光業の回復に支えられてタイ経済 は伸長しました。

11月の民間消費は前年同月比4・4%上昇しました。高い伸びを記録した前月に比べると伸びはやや鈍化しましたが、全ての支出カテゴリーで消費が増えています。その主な理由は農業部門の家計の所得が収縮したことにより、消費が減速しました。非農業部門の被雇用者の所得は全体として横ばいでした。

一方で、民間投資は前年同月比3・1%上昇しました。建材の販売、機械・設備を中心とした資本財の輸入、国内の機械販売、商用車の購入がそれぞれ8・3%、6・5%、3・9%、2・6%上昇しました。

11月の輸出は、前年同月比0・2%伸びました。ハードディスク駆動装置や携帯電話、自動車の輸出は、前年同月に好調だった反動で減速し、輸出額を押し下げました。また、米中貿易摩擦の影響で、電子製品やゴム製品の輸出が低迷しました。農産物はコメの輸出が前年同月に自然災害の被害を受けた国への輸出が急増していたハイベース効果から収縮に転じました。

工業生産に関しては、前年同月比1・0%増となり、前月から減速しました。自動車、食品、飲料、石油製品などの生産が伸びています。しかし、ゴムとプラスチックの生産は収縮しました。

観光業では、外国人観光客数が前年同月比4・5%増の320万人となりました。ほぼ全ての観光客市場が拡大。特にマレーシアを中心とする東南アジア諸国連合(アセアン)からの旅行者が増加しました。しかしながら、中国からの観光客は引き続き減少しています。

2018年12月のタイのインフレ率

商務省が発表した2018年12月のヘッドライン・インフレ率は、前年同月比0・36%上昇しました。18ヵ月連続で上昇したものの、4ヵ月連続で伸びが鈍化しました。非食品・飲料部門の伸びが5ヵ月連続で減速したことなどが響きました。原油高でエネルギー関連価格が下落したことが非食品部門の減速につながりました。

品目別にみると、非食品・飲料部門が前年同月比0・06%上昇しました。運輸・通信のうち通信が同0・65%下落したほかはプラスでした。

昨年9月に物品税制が改正されてから5%台で推移していたたばこ・酒の上昇率は、改正から一回りして伸びが同0・19%に減速しました。

食品・飲料部門は同0・90%増となりました。米・粉製品の上昇率が4・58%増となりました。果物・野菜は下落したものの、非アルコール飲料が同1・39%上昇するなどそのほかはプラスでした。 一方で、振れ幅の大きい生鮮食品とエネルギーを除くコア・インフレ率は、前年同月比0・68%の上昇で、前月から伸びがやや減速しました。

2019年1月の外為相場

12月下旬から、米政府機関の一部閉鎖が続いていることや米国株式の大幅続落を意識して、ドルが下落しました。円相場は1ドル=108円台まで円高が進行しました。バーツ相場も同様に1ドル=31バーツ台までバーツ高が進行しました。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は「典型的な政府機関閉鎖は短期で解消し、景気に与える影響は限定的だ が、長期化した場合は成長に響く」と警告しました。そして、米連邦公開市場委員会(FOMC)も当面利上げを見送る可能性が出てきました。政府機関の閉鎖が長期化する場合、ドル安が継続すると予想されます。

2019年のタイ国内
自動車市場の展望

2019年のタイ国内自動車市場全体の動向に関しては、新車販売の伸びが18年に比べ縮小する見込みです。18年の自動車売上が大幅に増加した反動で19年に適正かつ合理的な販売レベルに戻ることが一因です。

カシコンリサーチセンターは、19年のタイ国内自動車の売上台数を前年比2~5%減少し、98万~101万台になると予測します。

19年の国内自動車市場は、乗用車販売よりも商用車販売の方が縮小する見込みです。乗用車の販売台数は前年比1・3~2・5%減の46万8千~47万4千台になると予測します。小型乗用車(Eco Car)とスポーツ用多目的車(SUV)は好評を得ることが見込まれます。一方で、商用車の販売台数は同3・9~6・8%減の52万~53万6千台になる見通しです。4ドア・ピックアップは前年と同じく、商用車の中で最も明るい販売傾向にあると予想します。

自動車全体は落ち込みますが、電気自動車(EV)を含む電動車販売台数は増加すると予想しています。カシコンリサーチセンターは、電動車について、ハイブリッド車(HEV)が106~114%増の2万5100~2万6050台、プラグインハイブリッド車(PHEV)が32~37%増の1万1500~1万2千台、EVが627~718%増の400~450台になると予測します。

よって、電動車の販売台数全体は、18年の台数と比較して76~83%増の3万7千台~3万8500台になる見込みです。

電動自動車の国内販売にプラス影響を与える要因は多数存在します。主な要因は以下の通りです。

自動車メーカーによる電動車への投資が進められていること:
現在、約8社の自動車メーカーがタイ投資委員会(BOI)から電動車生産向けの投資奨励を取得しています。今年、それらの自動車各社が電動自動車の新型車を発売する予定です。また、電動車の物品税は内燃機関自動車よりも低いため、自動車メーカーは消費者に対し魅力的な価格の設定が可能となります。

タイ政府によるエコEVの推進:
タイ政府が電動車のエコカーに対する優遇措置「エコEV」を打ち出す予定です。エコEVは一般的な電動車と同等の恩典が付与され、さらに物品税は内燃機関自動車よりも半分低くなります。よって、エコEV、特にエコ・ハイブリッド車が今後タイの電動車市場拡大の主な推進力になると見込まれます。

自動車全体では落ち込むが、電気自動車(EV)を含む電動車販売台数は増加すると予想。

 

※本資料は情報提供を唯一の目的としており、ビジネスの判断材料とするものではありません。掲載されている分析・予測等は、資料制作時点のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、予測の妥当性や正確性が保証されるものでもありませんし、商業ないし何らかの行動の為に採用することから発生した損害の責任を取れるものでもありません。本資料の予測・分析の妥当性等は、独自でご判断ください。

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