【連載】LAMTIP PARTNERSの簡単!タイでの“かいけい”  ~番外編~ 第13回 タイ国の経理についての特徴

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全て性悪説にて判断するタイ税務署

タイの経理で日本と大きく違う点は、実務としては毎月の税務申告(源泉税およびVAT(付加価値税))が必要であるということ。そして最低限、書類の体裁を整えておく必要があるという点です。全てにおいて判断基準がいわゆる性悪説にて判断されます。
日本では飲食店の白紙の領収書や社長個人名のゴルフプレー費、あるいは海外での領収
書でも、実体の取引が会社の行為であると税務署に対して証明納得してもらえれば問題あ
りません。また、日本でよく見られるのが、社長さん個人名義の車両を法人として使用し
ているケースです。車両を会社の減価償却資産として計上し、それに付随する保険料や車検の費用も、法人の費用として損金経理されていることがあります。税務調査時においても、常識を逸脱する範囲でなければ通常あまり問題にはなりません。しかしながら、タイでは通常認めらません。税務署も当然そうですが、タイの経理スタッフは必ず名義の確認を行います。名義が法人でない場合は即、損金経理から除外して間、日本での経理の習慣に慣れている方にとって理解するのがなかなか難しいようです。
また、経理スタッフの仕事も会計より税務に対する業務に時間を使っているのも大きな特徴です。はたから見れば、税務署職員の手伝いをしているようにも見えます。

領収書について

宛名(支払側)の社名住所と相手側(支払先)の住所氏名の正確な記載が必要です。一部の社名(略称)や登記と異なる住所では損金経理にはなりません。
領収書を受領した場合、タイ語であっても最低限の住所・ありますので、英語はもちろ
ん自社のタイ語表記もできれば覚えておきましょう。
また、小さな個人商店では領収書(文具屋で購入した簡易なもの)にその商店の情報が記載されていないことが多いです。せっかくこちら側の社名住所は記載されてあっても相手先の情報がなければ当然、損金にはなりません。その場合は、相手側の名刺やカードを入手し領収書に添付しておけばよいでしょう。

タックスインボイスについて

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タイではVATの控除を受けるには、相手側から正式なタックスインボイスを入手する必
要があります(日本には無い習慣なので気をつけて下さい)。記載事項については下記のように法律で決められています。
下段に示した事項が正確に記載されていないとVATの控除が受けられませんので、経理スタッフはペン片手に一つ一つチェックしていきます。間違いが見つかれば即、相手先に
訂正依頼の電話をします。
※タックスインボイスは、写しやPDFでは適用されませんので必ず原紙(オリジナル)が必要です。
特に日本人同士でのやり取りがある場合は、このあたりの書類の不備が目立ちます。
メールでのやり取りで終わらせてしまい正しい領収書やタックスインボイスを作成して
いない場合が多く見られます。

よくある経費に関わる認識の違い

◆スタッフ慰労会で飲食をしたが交際費として処理をされた
:福利厚生費の飲食代については、その内容および写真などの添付により証明する必要があります。
税務署→写真がなければ誰と飲んだかわからないでしょう。

◆従業員所有の車を営業に使用しているが、事故に会い修繕費を会社負担とした。請求書領収書は会社名義であるが、経費否認された
:実際にそうであっても個人所有の車の修繕費を会社が出したことには変わりがないので、損金とする場合はその従業員の給与手当として処理すべきです。
税務署→個人の車でガソリン代、修繕費、保険料など、本当に会社のための使用かわからない。会社の使用であれば、当然会社の名義にすべきです。

◆日本への出張に関わる経費が全て損金として認められない
:日本への出帳に関する経費精については、目的や清算書を細かく記載する必要があります。
税務署→細かな清算書がなければ本当に出張かそうでないか判断がつかないからです。
上記のようなケースは、会計事務所のきちんとした指導がない場合、知らぬ間に損金不参入の処理をされていることが多くあります(本来は、最初にきちんと指導すべきですが…)。

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文 : 岩倉弘貴
Managing Director

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