法務・会計・税務 2019.01月号

第17回 ラベルにおけるミャンマー語の表示義務

第17回 ラベルにおけるミャンマー語の表示義務

堤 雄史(つつみ ゆうじ)
TNY国際法律事務所共同代表弁護士

東京大学法科大学院卒。2012年よりミャンマーに駐在し、駐在期間が最も長い弁護士である。SAGA国際法律事務所(www.sagaasialaw.com)代表であり、2016年2月よりタイにTNY国際法律事務所(www.tny-legal.com)を設立した。タイ法及びミャンマー法関連の法律業務(契約書の作成、労務、紛争解決、M&A等)を取り扱っている。

問い合わせ先:yujit@tny-legal.com

はじめに

2014年3月14日に公布された消費者保護法8条において、「ミャンマー語で、またはミャンマー語と他の言語で共同して記載されていない商品、又は、中央消費者保護委員会によって決められた日付からの使用に際する、情報や取扱説明がない商品」を製造又は取引することは禁止されていた。しかし、当該日付がいつからかについては何ら通知されていなかった。

そのような中、18年10月26日に中央消費者保護委員会より「消費者の安全のための、ミャンマーの製品のラベルへのミャンマー語又はミャンマー語を含む併記」についての通知(以下「本通知」という)が発布され、6ヵ月後の19年4月26日より施行されることとなった。

本通知の概要は以下のとおりである。

必要な記載内容

事業者は、ミャンマー語又はミャンマー語を含む明記で、以下の事項を記載しなければならない。

①使用方法
②保管方法
③アレルギーの記載及び製品の注意事項
④副作用

罰則

上記必要な記載事項を記載しない事業者は、消費者保護法19条に基づき、消費者紛争処理機関が、以下のいずれか、または複数の措置を講じる。

(a)警告
(b)重大な警告
(c)救済
(d)限られた期間、争っている商品の販売と流通を禁止 すること
(e)市場でのリコールを要求すること
(f)消費者に危険を引き起こす可能性のある商品を破壊 すること
(g)免許を一時的または永久に取り消す必要がある場 合は、関係する関係省庁と調整すること

適用対象

消費者保護法及び本通知上、ミャンマーにおける製品全てが上記必要な記載事項を表示しなければならない。他方、本通知上は、優先的に表示が要求される品目として次の9品目が規定されている。すなわち、①食品及び飲料、②家庭用品、③子供用品、④電気通信関連製品、⑤医薬品及びサプリメント、⑥化学製品、⑦化粧品、⑧消費財(歯磨き粉及び石鹸)、⑨機器(農業用及び健康器具)である。

今後の対応

上記9つの優先品目とそれ以外の製品との関係性については明らかではない。しかし、消費者保護法及び本通知上は、ミャンマーにおける製品全てが適用対象となっている以上、優先品目に規定されていない品目であっても2019年4月26日以降は表示義務を負うと解するのが法文上素直な解釈である。また、法令上の問題のみならず、リスク管理の観点からも、ミャンマーにおいて消費者の安全に対する意識が向上している現在、全ての製品に今後はミャンマー語を含むラベルを表記することが望ましいと解される。

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