【野村総合研究所】タイ、アセアンの自動車ビジネス新潮流を読む

【連載】半歩先読み、タイ自動車市場 ~タイ自動車ユーザの実態と展望~ 第10回

第10回 部品購入チャネルの量販店シフトの流れは強い(前編)

NRIは、ディーラ保証期間が終了していて、かつ自らアフターパーツを購入しているユーザを対象に、アフター部品の購買行動を調査した。具体的には、バンコクおよび地方都市ウボンラーチャターニー(以下、ウボン)で対面式の簡易アンケートを実施した。
本稿では、タイにおいて、ユーザがアフター部品を購入する際のチャネルの変化と、購入チャネルの意思決定基準について考察する。

部品ごとの購入チャネルの変化

本連載第9回では、ユーザの量販店に対する認知度の高さを示した。認知度の高まりに留まらず、購入チャネルとして量販店が選択される傾向も強まっている。
タイのユーザに「前回部品を購入したチャネル」と「次回部品を購入するチャネル」を確認した。その結果、全国・全部品において、部品購入チャネルが「一般の部品店」「一般の修理店」から、「量販店」にシフトしてきていることが確認された(図表)。
地域別に見ると、地方都市ウボンではバンコクよりも量販店の利用率が低い。しかし、量販店の店舗数がウボンとバンコクでは大きく違うことを考慮すると(2017年4月現在、量販店大手B-Quikはバンコクに45店舗、ウボンに1店舗展開)、必ずしもウボンにおいて量販店が選択される傾向が弱いとは言い切れない。また、部品別に見ると、タイヤは量販店での購入比率が最も高く、約4~5割を占めている。

(次回、ArayZ6月号に続く)


執筆者:野村総合研究所タイ
主任コンサルタント
吉村英亮


リサーチアソシエイト
Puncharat Hiransuchalert (Ming)

《業務内容》経営・事業戦略コンサルティング、市場・規制調査、 情報システム(IT)コンサルティング、産業向け IT システム(ソフトウェアパッケージ)の販売・運用、金融・証券ソリューション
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