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カンボジア、ラオス、ミャンマーの基本法制度比較⑫「投資法比較」

カンボジア、ラオス、ミャンマーの基本法制度比較⑫「投資法比較」

ミャンマーの新投資法

投資に関する統一的な制度を定めるため、2016年10月18日にミャンマー新投資法(以下、新投資法)が制定されました。新投資法の早期運用開始を目指し、本年より細則や通達の公布が着実に進んでいます。特に公布が遅れていたネガティブリストが2017年4月10日に公布され、新投資法が本格的に運用できる状態になりつつあります。今までの投資法に関する細則の公布状況は以下の通りです。なお、全ての英語版は、ミャンマーのDirectorate of Investment and Company Administration (DICA)のウェブサイト(www.dica.gov.mm)で確認可能です。
2017年2月22日に、ミャンマー投資委員会(Myanmar Investment Commission、以下、MIC)よりゾーニングに関する通達(MIC Notification No.10/2017、※1)が公表され、同年3月30日には計画財務省より最終版の投資法細則(Myanmar Investment Rules、※2)が成立、同年4月1日にはMICが投資促進業種(MIC Notification No.13/2017、※3)を発表し、また同月10日にMICからネガティブリスト(MIC Notification No.15/2017、※4)が公開されました。
投資法の本格的な運用開始が進めば、外資企業に対する差別的な運用上の取扱が解消され、運用上の外資規制の撤廃などを通じた外資規制の明確化、土地使用規制の制限緩和など、ミャンマーに投資する外国投資家にとって非常にメリットのある改正だと認識しています。
しかしながら、ミャンマーの現地および実地感としては、今まで認可取得については、度重なる運用変更などに苦しめられてきた経緯などがあり、新投資法が本格的に運用された後、十分に実際の運用や実施状況を確認しながら、慎重な調査を実施した上での投資検討・実施を行っていくことが重要だと考えます。

※1 投資対象地域の発展段階によって税制上の優遇措置が付与されるゾーンを特定するための通達
※2 MICが投資を審査する詳細な手続き、その他投資法に関する詳細事項を規定した細則
※3 税制上の優遇措置が与えられる業種を定めた通達
※4 投資規制や外資規制が適用される業種を定めた通達。ネガティブリストには200を超える業種が記載

One Asia Lawyersグループ ミャンマー事務所


藪本雄登
現地弁護士と協働し、タイを中心にタイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー(CLM)の案件を担当。CLMへのクロスボーダー進出支援業務、M&A、労務、税務、紛争解決案件等を担当。ビエンチャン日本人商工会議所事務局長(2015年)、カンボジア日本人商工会労務委員(2014年、2015年)等を歴任。

One Asia Lawyers (旧JBL Mekong)
One Asia Lawyersは、タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム、シンガポール、マレーシア、東京にオフィスを有しており、日本企業向けにASEAN地域でのシームレスな法務アドバイザリー業務を行っております。各事務所には、日本人弁護士・専門家が常駐しており、ASEAN地域に特化した進出法務、M&A、コーポレート・ガバナンス、労務、税務、知的財産、不動産、訴訟・仲裁対応などについて、現地法弁護士と連携の上、現地に根付いた最適なサービスを提供しております。
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yuto.yabumoto@oneasia.legal
【One Asia Lawyersグループ ミャンマーオフィス】
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