ビジネス・経済 2018.11月号

タイにおける仮想通貨取引・ICO規制について(前編)

1 はじめに

タイでは2018年5月にデジタルアセットビジネスに関する緊急勅「B.E.2561(2018)」(以下、「勅令」)が施行されており、その後、本年後半にかけて関連細則などが順次公布されております。

実際に申請等が行われる事例もあり、タイにおいては、今後さらにデジタルアセット(仮想通過)に関する注目は高まっていくものと考えられます。今回はその内容について、アップデートして参ります。

2 デジタルアセットビジネス

勅令は、仮想通貨及びデジタルトークンを「デジタルアセット」と定義し、デジタルアセットビジネスとして、①デジタルアセット取引所運営業、②デジタルアセットブローカー業、③デジタルアセット販売業の3つに定義しています。

タイにおいて上記いずれかのデジタルビジネスを営むためには、タイ国法人であること、及び、MOFからデジタルアセットビジネスの営業許可を取得することが必要となります。

営業許可の申請方法や要件、必要書類の詳細はSECのホームページにて公表されていますが、例えば、申請要件の1つである最低登録資本金額は以下のとおりです。

◎ 仮想通貨又はデジタルトークン取引所運営業
登録資本金5,000万バーツ以上
◎ 仮想通貨又はデジタルトークンブローカー
登録資本金2,500万バーツ以上
◎ 仮想通貨又はデジタルトークン販売者
登録資本金500万バーツ以上

営業許可申請のおおよその流れは、次のとおりとなっています。まず、申請者は申請手数料3万バーツを支払い、SECに対して必要書類のすべてを提出します。SECによる審査の後、SECからMOFへと審査が回されます。MOFが要件をすべて満たすと判断した場合、営業許可が認められます。申請書類のすべてが揃ってから承認までにかかる期間は150日とされており、承認を得たデジタルアセットビジネス業者は、営業許可証の発行手数料として、以下の金額を支払い、許可証を得た日から180日以内に営業を開始することができます。

◎ 仮想通貨又はデジタルトークン取引所運営業
発行手数料250万バーツ
◎ 仮想通貨又はデジタルトークンブローカー
発行手数料125万バーツ
◎ 仮想通貨又はデジタルトークン販売者
発行手数料100万バーツ

勅令以前にすでにデジタルアセットビジネスを行っていた事業者については、2018年8月14日までにSECに許可申請をすることで、営業許可申請の不承認が決定しない限りは引き続き事業を継続することが認められました。SECの発表によれば、既存のデジタルアセット取引所運営業者6社及びデジタルアセット販売業者2社がかかる届出を行い、事業を継続しています。

また、デジタルアセットビジネス業者は、営業許可証に基づき事業を行う期間、SECに対し、定められた年間手数料を支払わなければなりません。なお、マネーロンダリング防止法 (Anti-money Laundering Law)の下、金融機関とみなされますので、留意が必要です。

 

One Asia Lawyersグループ タイ事務所

弁護士(日本法)古橋いぶき
2018年からタイに常駐し、タイにおける契約、M&A、労務、紛争解決等の案件対応を執り行う。

【One Asia Lawyersグループ タイオフィス】
399 23 Floor Unit 2301, Interchange Building, Sukhumvit Road, North-Klongtoey, Wattana, Bangkok 10110
Thailand +66(0)61-780-1515

 

One Asia Lawyers (旧JBL Mekong)

「One Asia Lawyers」は、日本およびASEAN各国の法に関するアドバイスを、シームレスに、一つのワン・ファームとして、ワン・ストップで提供するために設立された日本で最初のASEAN法務特化型の法律事務所です。

当事務所メンバーは、日本およびASEAN各国の法律実務に精通した専門家で構成されています。日本およびASEAN各国にオフィス・メンバーファームを構えることにより、日本を含めた各オフィスからASEAN各国の法律を一括して提供できる体制を整えることに注力しております。

本記事に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal

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