ビジネス・経済 2018.12月号

タイにおける仮想通貨取引・ICO規制について(後編)

(前回の続き)

3 ICO

タイにおけるICO(Initial Coin Offerings)による資金調達は、以下の規制枠組のもとで認められることとなりました。ICOプロジェクトはすべて、SEC(タイ証券取引委員会)から事前の許可を得た上で、SECから認可を受けたICOポータル(デジタルトークンシステムプロバイダー)を通して行われることが義務づけられました。

ICOへの投資額については、ベンチャーキャピタル法人やプライベートエクイティファンド等に関して制限は定められていませんが、一般の投資家についてはICOプロジェクト毎に1人30万バーツが投資額の上限とされ、また、それら一般の投資家へのデジタルトークン発行額の合計も総発行額の70%を超えてはならない等の制約に服します。

また、デジタルトークンの販売期間は、原則として、SECから販売許可を得てから6ヵ月以内と定められ、販売許可から12ヵ月以内であれば延長が認められる場合もあります。デジタルトークンは、タイバーツまたは仮想通貨(4に記載の認定仮想通貨)を対価として発行されなければなりません。販売期間終了後15日以内に、発行者はSECへ報告をする義務があります。

タイにおいてICOポータルの運営を行うためには、タイ国法人であること、及び、SECからICOポータルの営業許可を取得することが必要です。ICOポータルの営業許可申請要件としての最低登録資本金は500万バーツであり、 申請書類のすべてが揃ってから承認までにかかる期間は90日とされています。ICOポータルは、取り扱うICOプロジェクトや発行者に関連する情報についてデューデリジェンスを行い、発行者が諸規定を遵守しているかにつき確認する義務があります。

ICOポータルは、営業許可証に基づき事業を行う期間、SECに対し、毎年1月末日(営業開始初年度は営業許可の日)までに、10万バーツの年間手数料を支払わなければなりません。なお、ICOポータルもまた、マネーロンダリング防止法(Anti-money Laundering Law)の下、金融機関とみなされますので、留意が必要です。

4 仮想通貨の種類

タイにおいて、取引が認められる仮想通貨は、現在以下の7つです。
①ビットコイン ②ビットコインキャッシュ ③ユーサリアム
④ユーサリアムクラシック ⑤リップル ⑥ライトコイン
⑦ステラー

5 仮想通貨等取引にかかる税金

2018年5月14日の歳入法改正により、デジタルアセット取引にかかるキャピタルゲインやデジタルトークンのインセンティブに対しては、15%の源泉徴収税が課されることとなりました。

 

One Asia Lawyersグループ タイ事務所

弁護士(日本法)古橋いぶき
2018年からタイに常駐し、タイにおける契約、M&A、労務、紛争解決等の案件対応を執り行う。

【One Asia Lawyersグループ タイオフィス】
399 23 Floor Unit 2301, Interchange Building, Sukhumvit Road, North-Klongtoey, Wattana, Bangkok 10110
Thailand +66(0)61-780-1515

 

One Asia Lawyers (旧JBL Mekong)

「One Asia Lawyers」は、日本およびASEAN各国の法に関するアドバイスを、シームレスに、一つのワン・ファームとして、ワン・ストップで提供するために設立された日本で最初のASEAN法務特化型の法律事務所です。

当事務所メンバーは、日本およびASEAN各国の法律実務に精通した専門家で構成されています。日本およびASEAN各国にオフィス・メンバーファームを構えることにより、日本を含めた各オフィスからASEAN各国の法律を一括して提供できる体制を整えることに注力しております。

本記事に関するご照会は以下までお願い致します。
yuto.yabumoto@oneasia.legal

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