Vol.2 どのセクターが伸びている?(前編)
教えてくれる人
SBIタイオンライン証券CEO
ロバーツ・之子
38歳、男性会社員
株式投資経験なし。タイ株は少額から取引できると聞いて興味を持っているものの、勉強する時間がないことを理由に始められずにいる。
「前回、投資銘柄の絞り込み方として、まず産業/業種ごとのセクターを見ていく方法を教わりましたが、実際にはどのようにセクターを選べば良いのでしょうか?」
まず昨年度の実績を見るところから始めてみましょう。どのセクターが伸びているかを知るためには、図のように四半期毎と年毎で業績を比較してみるのがお勧めです。これにより、季節的な要因を見極めることができるからです。目立った数字と併せて、その背景をリポートやニュース等を参考に分析していきます。
Autoは中間所得層の購買力が徐々に回復してきたことで、主に国内向けの生産が拡大してきています。乗用車に加え、好調な観光業に後押しされバス等の商用車も伸びており、年度比でも業績が大きく伸びていることがわかりますね。
また中国客をターゲットにしたホテルが記録的な売上をあげたことで、Tourismに含まれるHotelは同四半期比33・4%、年度比で13%の伸びとなりました。
一方で、Transportセクターに含まれる航空会社は平均運賃を値下げしたこと、また政府がすべての国内便で燃料税を引き上げたことにより、観光業の好調に反して落ち込んでいます。また、Propertyも力強く、同四半期比9・3%、年度比で25・6%の伸びです。
ちょうど昨年多くのコンドミニアムの建設が完了し、プレリリースの好調な成績が発表されたことによります。
(ArayZ8月号に続く)