手順を正しく伝え、業務品質を維持するには?

人手不足、賃金高騰に悩むサービス業や製造業では、生産性向上や品質維持が課題となっている。「既存業務(手順・方法)の仕組み化が生産性向上につながる」と話すのは、株式会社スタディストの豆田裕亮氏だ。

第2回 「作って終わり」じゃない、進捗管理できるマニュアル

生産性の引き上げと人材育成には、見える化・標準化した業務を関係者に共有するマニュアルの作成と、それを確実に遂行できる仕組みの構築が鍵になる。

しかしながら、マニュアルの作成には人員的・時間的がかかる上、海外ににおいては言語の壁が立ちはだかる。そこで株式会社スタディストが開発したのが、クラウド型マニュアル作成・共有プラットフォーム「Teachme Biz」だ。

「Teachme Biz」を使ったマニュアルの作成にパソコンは不要で、スマートフォンやタブレットで撮影した写真や動画から、簡単な操作のみでビジュアル型マニュアルを作成・編集することができる。一話完結型のマニュアルが各社の共有プラットフォームに集合するかたちとなるため、目次の作成や改訂時にかかる作業負担もない。また自動的に汎用的なデザインやレイアウトが適用されるシステムになっており、これらを決めるための議論や作る手間も不要だ。さらに作成したマニュアルはクラウド上で一元管理できるため、配信や更新の負担も軽減できる。

作成したマニュアルを確実に関係者まで届け、運用を支援するタスク配信機能の仕組みがあるのも「Teachme Biz」の大きな特徴。同社の豆田氏は、「業務を指示する送信者が、業務を遂行する受信者(タスクの担当者)にマニュアル・期日などを設定した『タスク』を配信すると、受信者はメール・ポップアップ通知を受け、業務内容を確認。業務を実施したら『完了』ボタンで送信者に報告できます。マニュアルを『作って終わり』にせず、確実に実行する流れをつくるのがタスク配信機能です。多人数・多拠点でのオペレーションマネジメントにも役立ちます」と説明する。

既存業務の共有だけでなく、「社内システムの更新時、全社に操作方法の周知を徹底したい」「期限までに回収したい書類の記入・提出方法を説明したい」場面など、活用範囲は幅広い。マニュアルの継続的な運営から、進捗管理まで有効なツールとして、非常に効率的なシステムと言える。

株式会社スタディスト
執行役員
グローバル事業部 部長
豆田裕亮

早稲田大学大学院理工学研究科卒。株式会社インクスにて大手自動車メーカーの設計製造コンサルティングに従事し、その後、2007年に同社経営企画室。2011年3月に株式会社スタディストに参画。CMOを経て、TeachmeBizの海外事業を担当。

 

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