ビジネス・経済 2019.02月号

日本語人材・タイ人アシスタントもシェアする時代 「第3の選択肢」を提供する

XQUEST (Thailand) Co.,Ltd.
代表取締役 陽田伸行

ソーシャルメディアの普及や個人の価値観の変化で、住居を他人に貸し出す民泊の「Airbnb(エアービーアンドビー)」や、複数の個人が自動車を共有するカーシェアリングなど、モノ・場所を所有から共有・共用する新たな時代に入った。「それなら人材もシェア」と、エックスクエスト(タイランド)の陽田伸行氏は、正規採用せず、本当に必要な時なだけ、優秀な秘書を雇えるオンラインサービス「Cloud Hisho」を提供する。

総務・人事・経理などの業務に加えて、タイ語による社内外資料作成と、日系企業は、通訳者や秘書がいないと対処できない様々な日常業務に追われている。ただ、流動性が高く、人件費が高騰するタイで優秀な秘書を雇い、引き留めるには、給与や福利厚生などの待遇面の充実や、楽しく働いてもらう職場環境作りが求められる。

概して、企業は人材を探す手段として、求人広告の掲載か、人材紹介会社を利用するかの二者択一を迫られるが、「弊社は第3の選択肢として、複数の企業に秘書をシェアしていただく役割を担っています」と説明する。

日系企業のタイ人秘書を観察すると、実働しているのは一日3時間程度で、合間にスマホいじりなど職務以外に時間を費やしていることが少なくない。ネット環境が整備され、ビデオ会議ツールの「ズーム」や、「スカイプ」、「LINE」などを活用して、出勤せずに日常業務に対応できる時代に入った。そこでタイ人秘書に遠隔リモートワークでアシスタント業務全般を依頼できるビジネスモデルを思いついたと、陽田氏は振り返る。

雑務をリモート秘書に任せ、本業に集中

専属で常勤の秘書を雇用すると、「親しい同僚のいる職場」「労働者保護法の順守」「手厚い福利厚生」が求められ、コスト面で大きな負担となる。登録している秘書の大半が社会人経験がある30歳前後で、日本語能力試験N1(1級)もしくはN2(2級)の合格者。特に日本への留学経験のある秘書は、日本人の習性を理解しており、あうんの呼吸や空気を読むことに長けている。

「優秀な方ほど、雇用されずにフリーで働くことを望みます」とタイ語だけでなく、英語に堪能な秘書も活躍している。基本的には在宅勤務だが、必要な場合は、政府機関や企業訪問に同行することが契約時間内であれば可能で、現場での通訳や交渉で強い味方となる。

当初想定した以上に製造業者からの依頼が殺到している同社のサービスは、無料トライアルを実施中で、陽田氏は、「既成概念にとらわれない、新たな選択肢を提供します。タイ語書類の作成や翻訳など、わずらわしい業務は秘書に任せて、本業に集中できます。無駄な人件費や時間の削減にも寄与します」と時代に合った雇用形態を提案する。

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