MIJSコンソーシアム、バンコクでIoTセミナーを開催

日本のソフトウェアベンダーが集結する業界団体MIJS(Made In Japan Software & Service)コンソーシアムは7月4日、バンコクにて「meetALIVE in Bangkok モノづくりIoTの未来 ~世界の最新動向とタイビジネスにおける可能性~」を開催した。

基調講演は、ウルフ専務執行役員八子知礼氏が「世界におけるIoT市場の動向と10年後に生き残るために今、やるべき事」と題して行った。
八子氏は「日本のソフトウエアで世界で通用しているものは少ない。MIJSコンソーシアムは、世界で勝てるプロダクトの育成にフォーカスしたビジネスプラットフォームであり、日本発のソフトウエアを世界へ!の思いが込められている」と述べたうえで、最先端のIoT事例などを紹介した。「世界のデジタルデータの半分以上を欧米が占めている。日本は3%程度であり、データの活用が苦手な国民性である。また、日本、特に製造業はデータを社外に出したがらないが、データを貯め集めることで課題が解決することもある。例えば、トヨタとマイクロソフトは、共同で開発した自走型自律運転フォークのシミュレーション画面を作成。現実世界のマシンを使わずに、コンピュータシミュレーション上(仮想空間)で学習させ、効率化を図った。アナログ情報をデジタルデータに集積しAIに学習させ、アナログである現場に戻す。データを活用することで、現実の現場でシミュレーションするよりも早く学習させることが可能だ。そして、3Dプリンターの活用も目覚ましい。今までは、サプライチェーンで生産された部品を組み立て工場へ輸送していたが、3Dプリンターを利用すれば組み立て工場でオンデマンドを利用して部品の製造が可能であり、サプライチェーンが不要となる。また、自動車製造はすり合わせが必要であり、その道のプロしかできないと言われてきたが、設計のデジタル化により自動車製造未経験のベンチャーが2年で自動車を開発し、販売している事例もある。IoTを活用すれば素人でも製造可能であり、モノづくりの在り方が変わる」と述べた。
世界最先端のスピード感と日本の製造業のスピード感の違いが感じられたが、「現在の様々な問題は<境目>にあり、IoTを利用すればその境目をつなぐことが可能となる。社会課題を解決するアプローチがIoTである」と八子氏は語った。

後半のパネルディスカッションは、「タイ、ASEANのIT市場最前線からのメッセージ」と題し、在タイ日本国大使館 商務官(経済産業省出向)寺川 聡氏、DENSO International Asia Co.,LTD.(Thailand)テクニカルセンター長 村木 正明氏、ABEJA 取締役COO兼CFO 外木 直樹氏が登壇し、 モデラーを、東洋ビジネスエンジニアリング 常務取締役 CMO/CTO 新商品開発本部長 羽田 雅一氏が務めた。

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