メコン・中国開発協力、バンコクでフォーラム開催

政府間機関のメコン研究所と在タイ中国大使館は3月20日、バンコク市内でメコン川流域の持続可能な開発を目的とする「瀾滄江メコン開発協力(LMC) 枠組み」に関連するフォーラムを共催した。

2016年に創設されたLMC枠組みに参加しているのは、カンボジア、中国、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムの6ヵ国。中国の経済圏構想「一帯一路」の一部となる有望な枠組みと見られる。中国では、同国を流れるメコン川上流部を瀾滄江と呼んでいる。

同フォーラムでは、策定・実施されてから1年が経った「5ヵ年行動計画(18年~22年)」の進捗状況などが報告された。成長著しい同流域だが、貿易の不均衡や環境保全、利害調整などが課題となっている。

パネルディスカッションに参加した中国国際問題研究院(CIIS)の荣膺副所長は、6ヵ国の地理的な近接性や文化的な共通点などを挙げ、他の地域協力の枠組みとの違いを強調した。

メコン研究所のダイレクター、デュッタ氏は、コネクティビティ(連結性)、越境貿易、水資源管理、農村地域での電子商取引の推進、調整メカニズムの強化などを優先的に取り組む分野として挙げた。

雲南大学の呂星准教授は、ラオス、ミャンマー、ベトナムと国境を接し、25の少数民族が居住している雲南省だが、多様性を尊重した調和の取れた社会の中で発展し続けていると説明した。

国立チュラロンコン大学安全保障・国際問題研究所(ISIS)のシニア・フェロー、カウィ・チョンキタウォーン氏は、短期間で急速にプロジェクトが進んでいることを懸念。参加国間の信頼を醸成するとともに、バランスの取れた持続的な開発を行うよう呼びかけた。

 

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