「アジアで活躍できる人材とは」、有識者らが日本人学生と交流、サシン日本センターが明治大学などと共催

チュラロンコン大学サシン経営大学院日本センター(SJC)、明治大学ビジネススクール、紫藤会とタイ日本人学生会(JSAT)は2月9日、日本とタイで活躍する有識者・ビジネスパーソンと、交換留学・インターンシップ中の学生の交流を目的とするフォーラム「アジアで活躍する人材になるために、今するべきこと」を共催した。

人口減少による市場縮小が避けられない日本の将来を見据えて、多くの企業が成長市場として期待するアジア諸国での事業拡大を図っている。だが、同地域で通用する人材が思うように育っておらず、日本の将来を危ぶむ声が少なくない。

国際連合(UN)環境計画のムシュタク・アーメド・メモン氏は、グローバル社会における英語などの重要性を強調。「間違いを恐れずに話しかけて議論すること。趣味の範囲で構わないので、他国の文化や慣習を学ぶこと。型にとらわれない発想を持つこと」が必要と述べた。

UN機関の調整を行う常駐調整官事務所の佐藤桃子氏は、「多国籍な職場環境で働いていると、日本人特有のあうんの呼吸が通用しない。きちんとした説明責任が求められる」と強調した。

サシンの卒業生で山田コンサルティング&スパイア(タイランド)勤務の近藤道輝氏は、タイ人とのネットワーク構築、市場などの知識、資金などを、事業家としてタイで活躍するための重要な要素に挙げたが、「とにかく、事業を立ち上げてみること」とエールを送った。

日立製作所からインターンとしてサシンのコンサルティング部門に席を置く荒井千鉱氏は、自社との職場環境を比較。上司とのフラットな関係、定時内での私語など自由な環境の驚くとともに、「転職を繰り返す人が多いが、きちんとしたキャリアプランを持っている」と有意義な海外留職生活を送っている。

最後に登壇したSJC所長で明治大学ビジネススクール准教授の藤岡資正氏は、「自分の人生とは何かを考え続けること。やらなかったことを後悔しないことが大事」と、自身が卒業後の人生で役に立ったという哲学や社会学を学んで素養を高めるよう助言した。

学生からは、「タイで活躍する方々の話は興味深く、多くの気づきを得た」などの声が聞かれた。

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